ヒョンビン曰く「結婚の予定はありませんよ」

日本からは『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』の行定勲監督も開幕式に参加した。

 今年、プロデューサーズ・チョイス賞を受賞したのは、ヒョンビンとソン・イエジン。ヒョンビンは、今年春に軍隊除隊後に初めて出演した映画『王の涙 ―イ・サンの決断―』をヒットさせたことでの受賞となった。

『王の涙』は、ドラマ「私の名前はキム・サムスン」や「シークレット・ガーデン」などロマンティック・コメディのオレ様王子役で人気となったヒョンビンにとって初の時代劇であり、暗殺者に狙われる王イ・サンを演じている。実はこの作品、韓国マスコミからはストーリー性が弱いなどと前評判は悪かったにもかかわらずヒットし、ヒョンビンのスターパワーを見せつけた結果になった。とはいえ、前述の『王になった男』や『10人の泥棒たち』のような記録破りのヒットにはならなかったけれども。

左:セクシーな衣装で登場のソン・イェジン。『私の頭の中の消しゴム』など薄幸なイメージが強いが、現在はアクション映画『海賊』が大ヒット中。
右:開幕式の司会は「天国の階段」のシン・ヒョンジュンと、「シークレット・ガーデン」のユ・インナ。

 7月17日のレッドカーペットは突然の雨に見舞われたが、ヒョンビンがタキシード姿で登場するや待ち受けたファンからは大歓声。開幕式で表彰されたヒョンビンは「大きな賞をいただき感謝しています。これからもっと多くのプロデューサーの方々と仕事を共にしていきたい。もっと良い作品で観客の皆さんの前に登場できたらと思います」と笑顔で語った。

マダムのヒョンビン一押し作品は「シークレット・ガーデン」。女性と入れ違ってしまうヒョンビンがかわいい。

 映画の中では、ムキムキな背中の筋肉がまるで龍のように動くと話題になったが、その筋肉を維持しているかと司会のシン・ヒョンジュンに聞かれると、「もうずいぶんおとなしくなりました」と笑った。またこの直前、主演作『レイトオータム』の共演者タン・ウェイと同作の監督キム・テヨンが結婚を発表したことから、結婚に関しての話題になると「僕はまだ予定はありませんよ」と即答。まあ、今年で32歳と若いヒョンビンには、まずはお得意のロマコメに復帰してほしいもんである。

石津文子 (いしづあやこ)
a.k.a. マダムアヤコ。映画評論家。足立区出身。洋画配給会社に勤務後、ニューヨーク大学で映画製作を学ぶ。映画と旅と食を愛し、各地の映画祭を追いかける日々。ときおり作家の長嶋有氏と共にトークイベント『映画ホニャララ はみだし有とアヤ』を開催している。好きな監督は、クリント・イーストウッド、ジョニー・トー、ホン・サンス、ウェス・アンダーソンら。趣味は俳句。俳号は栗人。「もっと笑いを!」がモットー。