そもそもプチョンってどんな場所なの?

ヒョンビンがレッドカーペットに登場したときは、一瞬雨があがった。さすが。

 自称・映画祭追っかけ隊のマダムアヤコ、2014年7月は第18回プチョン国際ファンタスティック映画祭へ行ってきたー。と言っても、カンヌやヴェネチアと違い、「それどこ?」と思う方も多いはず。

 プチョン(富川)市は韓国のソウル郊外にあるベッドタウンで、ソウル中心部から地下鉄で50分、仁川空港からバスで1時間ほどのところに位置する、人口90万近い都市。以前は『ブラザーフッド』などを撮影した巨大オープンセットを擁する映画スタジオがあったのだが、残念ながら現在は一部を残しマンガミュージアムとなっているものの、映画には縁のある土地なのだ。

左:開幕式が行われた富川体育館には、イ・ビョンホンらこれまで表彰されたスターたちのパネルがずらり。
右:韓国の国民的俳優アン・ソンギは毎年PiFanの主賓的存在で、誰からも慕われている。演技も人柄もすばらしく、韓国の役所広司というべきか。

 ファンタスティック映画祭というのも聞き慣れない言葉かもしれないが、これはアクションやホラー、コメディなど、いわゆるジャンル映画を主にした映画祭のこと。カンヌを筆頭にアート指向の強い映画祭に対して、エンターテインメント要素の強い映画祭がファンタスティック映画祭を名乗っており、プチョン・ファンタ(略称PiFan)は日本のゆうばり国際ファンタスティック映画祭の姉妹映画祭でもある。

 以前はかなりマニア向け要素の強い映画祭だったが、ここ3年ほどはプロデューサーズ・チョイス賞を設けて開幕式でヒット作を生んだスターを表彰したり、華やかさを増している。去年は『王になった男』が大ヒットしたイ・ビョンホンと『10人の泥棒たち』のチョン・ジヒョンが受賞し、おおいに盛り上がった。

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2014.09.15(月)
文・撮影=石津文子