山中うつぎさん
お子さん:1歳6カ月 J君

フリーランス カレンコム広報・モデル担当
www.kalencom-japan.com

 イタリアが大好きという山中さんは、スラリとした長身で華やかな雰囲気を持ったママだ。

 モデル、フリーアナウンサー、大手企業の秘書となって結婚出産。産休育休を取得し、復帰に備えていた山中さんだったが、保育園に入れず退社することとなってしまった。思いもかけず人生の方向転換を余儀なくされたわけだが、次の仕事はほどなく決まった。それは、マザーズバッグを扱うカレンコムの専属広報・モデル担当という仕事。ただし、降ってわいたラッキーな話ではない。

 以前、気に入った海外ブランドのベビーカーを選ぶため、日本における販売総代理店の本社まで出向き、カラーバリエーションをすべて見てから購入したことがあった。ベビーカーを見るとき・選ぶときの山中さんのセンスの良さ、物事に対するこだわり、真摯な態度が、担当者の心に深く印象づけられていたのだという。

 その後、その企業がアメリカのマザーズバッグブランド「カレンコム」の日本代理店になったとき、担当者は山中さんのことを覚えていて、連絡をくれたのだ。

 その会社のオファーを受け、カレンコムの広報宣伝担当としてフリーで契約。カレンコムのPR、販促に関する業務全般を行うこととなる。ファッションやインテリアには自分が心地のいいものにこだわりたいと意識していたことが、次の仕事につながった。

 保育園に入園ができなかった事情も理解してもらい、打ち合わせの際は子連れでの出席が許されたのも、会社からの全幅の信頼を得たからこそと言えよう。撮影では、J君と一緒に親子モデルとして活動できることになり、外に出て人とコミュニケーションをする楽しさを日々感じている。自宅ではカレンコムのウェブサイトで着こなしの提案をしたり、フェイスブックの管理などを行い、子連れでできる仕事としては理想的だと喜んだ山中さんだったが……。

J君とともに親子でカレンコム専属モデルとなった

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2013.09.19(木)
text&photographs:HITOMINA