高沖清乃さん
お子さん:長男4歳5カ月、次男1歳8カ月

株式会社「ポーラスタァ」 代表取締役社長 polst.jp
はたらくマタニティのための雑誌「ニンプス」発行人 ninps.com
現在では、「ニンプス」発行だけにとどまらず、妊婦を応援するイベントや講座なども開催し、事業内容は幅広く展開中。ameblo.jp/nalscenario-l

 水天宮ちかくにあるポーラスタァのオフィスは、大きな窓から清洲橋通りが見下ろせる居心地のよい空間だ。高沖さんは「ポーラスタァ」の社長としてすでに7年目。子育てと会社育てが重なっている状況で働き続けている。

 実家をたよりにできない状況で会社を切り盛り。どうやって両立は可能だったのだろうか。

 聞けば、高沖さんの最大の理解者でもあり、人生のパートナーでもある増田さんは自他ともに認める「イクメン」であるという。一体「イクメン」とは、最初からそういう人種なのか、それとも妻の努力でできる可能性はあるのか。そこを聞いてみた。

マタニティ・ママのためのイベントも増えてきた

 増田さんは、最初はごく普通のパパだったという。

「ごく普通とは?」と聞くと「『早く帰ってね』と言っても帰らないし『ずっと寝ていていいよ。夜子どもが起きたら僕がミルクを作ってあげるから』とは絶対言わない。ほらね、普通でしょ?」と高沖さん。なるほど。

 それが変わったのは、長男が生まれた後どんどん会社の仕事が増え、どうにもならなくなった高沖さんが、「私、今日からお父さんになります」宣言をしてから。

 一切の家事育児を任せられた増田さんは、子どもを迎えに行って帰って、ご飯作ってお風呂に入れて寝かしつけ。深夜に起きたらミルクを飲ませる。朝着替えさせて、食べさせる。という家事育児全てをやることとなった。

 起業まもなくで切羽詰っていたこともありいささか荒療治ではあったが、そんな時期が8カ月ほど続き、気づいたら増田さんはなんでもできるイクメンになっていた。言うまでもなく「ごく普通のママ」もこうやってママになっていくのであるが。

 高沖流をそのまま一般家庭が真似できるわけではないが、いくつか教訓はありそうだ。

 まず、「任せるなら、文句を言わない」こと。「あ。それ、やり方ちがうよ」、「それじゃダメダメ」「洗濯物を干すときはねえ」「この子は、こうなの」など、ついつい言いがちな一言があなたのパートナーのイクメンになり得る可能性を潰しているかもしれない。

 また、高沖さんほどではないにせよ、「パパに任せる時間を意識的に作る」というのは、どのママでもできそうである。週末1日だけは、すべて任せてママはおでかけをする。あるいは、週に1度の残業の日は任せる。「夜泣いたら、起きてミルクを飲ませる」だけでもいい。色々なパターンが考えられそうだ。どんなパターンであれ大切なことは「任せるなら文句を言わない」。ここはぐっとこらえて目をつぶり、未来のイクメンを育てたい。

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2013.04.18(木)
text&photographs:HITOMINA