若手料理人が次々と独立を果たす近ごろの京都。

 確かな技をもちつつ、個性はしっかり打ち出す。その加減はどの店も絶妙で開店と同時に予約困難な店となってしまうのも納得せずにはいられない。

 予約が取れたら京都へ、そんな楽しみ方も良いものだ。


噛むごとに口に広がる
野菜の力強さに感激

●monk(モンク)

炭でダイレクトに炙ったサワラはシンプルに塩で味わう。紅芯大根や紫大根など4種の大根を添えて。

 日暮れと共にひっそり静まりかえる哲学の道に面して、素朴な佇まいで人々を出迎える一軒家レストラン。

カウンターキッチンの奥にはその日の野菜をディスプレー。

 主役はなんといってもナポリの薪窯だ。

 窯焼き野菜やピザはもちろん、下ごしらえや食後のコーヒーの焙煎まで窯はフル稼働。火を使う調理はほぼ、この薪窯が担っている。

サワラに炭をジュッと当てる音と煙、立ち上る香りに料理への期待が高まる。

 軽井沢「エンボカ」で料理人のキャリアをスタートさせ、新店の立ち上げで京都へとやって来たシェフの今井義浩さん。

 独立にあたり京都を選んだのは世界中から人々が訪れる都市でありながら、自然との距離が近い街のサイズ感に惹かれたからだという。

カブのスープ。文様を描くのはカブの葉のソース。
この日の窯焼き野菜は白菜、ブロッコリー、金時人参、海老芋、赤万願寺唐辛子、菜の花など。

 毎朝、大原まで足を運び農家から直接仕入れた野菜を、薪窯で焼き上げたシンプルな料理はこの地だからこそできた一皿だ。

 噛むごとに口に広がる野菜の力強さは、想像を超えて心に余韻を残すものとなっている

ピザは数種類のトッピングから選べ、ハーフ&ハーフも可能。写真は定番の鯖と菜の花。ソースは使わずハーブなどの香りを纏わせている。

 もう一つ欠かせないのがピザ。国産のディンケル小麦全粒粉を使い、天然酵母で長時間発酵させた生地は芳しく香り高い。

 最初に供される素焼きピザで、たちまち今井ワールドの虜になるに違いない。

僧侶という意味の店名。ストイックな姿勢で食材や窯、料理と向き合う今井さんにリンクするようだ。

monk(モンク)

所在地 京都市左京区浄土寺下南田町147
電話番号 075-748-1154
営業時間 〈カウンター〉17:30~20:30 最終入店、〈テーブル〉19:00~
定休日 日・月曜、不定休
※要予約
http://restaurant-monk.com/

Feature

今の京都で輝く
若手料理人の新店へ

Text=Mako Yamato
Photo=Takashi Shimizu

この記事の掲載号

あらためて京都

CREA Traveller 2019年春号

今になって知る。 素敵な仕掛け
あらためて京都

定価1,110円 (税込)

詳しくは
こちらへ

CREA Traveller 2019年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在は異なる場合があります。