若手料理人が次々と独立を果たす近ごろの京都。

 確かな技をもちつつ、個性はしっかり打ち出す。その加減はどの店も絶妙で開店と同時に予約困難な店となってしまうのも納得せずにはいられない。

 予約が取れたら京都へ、そんな楽しみ方も良いものだ。


もろこの満足感に
驚かされること間違いなし

●炭焼 芹生
(すみやき せりう)

蓮根、椎茸、アスパラガスには塩と胡麻味噌を添えている。奥は二杯酢と生姜で味わうもろこ。料理はすべておまかせコース 8,000円から。

 10年間修業を積んだ木屋町の名店「割烹やました」で、長く焼き場を担当。炭焼きのおもしろさに開眼したという店主の芹生玄さん。

左:四条烏丸とは思えないひっそりした佇まい。
右:もろこは「有次」に別注した網で焼き上げる。

 店を構えるにあたって、迷うことなく炭火を主役に選んだ。

 その心意気は墨色のモルタルでモダンに仕上げた炭台を、カウンターのどの席に座っても見えるように作った設いにも見てとれる。

メインの魚はネタ箱の中から選ぶスタイル。

 網の上の食材を丁寧に見ながら返して焼き上げる様子は、炭の香りと共に心沸かせる眺め。ライブ感が料理への期待を膨らませる。

ぐじの炭火焼。身を食べ終わった後は皮を油で揚げ、もう一度楽しませてもらえる。

 料理はおまかせコースの一本のみ。ぐじや伝助穴子などの魚、丹波地鶏などから選べる炭火焼きをメインにしたプリフィックスだ。

 冬から春にかけては、琵琶湖で獲れるもろこも京都らしい一品としてコースに入る。

剝きたてのハマグリをさっと揚げ、天ぷらに。レア感が程よい。

 何度も何度も返しながらじっくりと、最後は頭を下にしてカリッと焼き上げたもろこは、皮は香ばしく身はふっくら。小さな姿からは想像できない満足感に驚かされる。

 炭焼きの間に供される造りや揚げ物なども、割烹仕込みの味に仕上がっている。

鯛と、炒り胡麻をまぶしたイカ。昆布を蒸して作る昆布醬油と、塩とわさびで。

炭焼 芹生
(すみやき せりう)

所在地  京都市中京区占出山町299 ヒラタビル1F
電話番号 075-744-0488
営業時間 17:00~22:00 L.O.
定休日 月曜、第3日曜
※要予約

Feature

今の京都で輝く
若手料理人の新店へ

Text=Mako Yamato
Photo=Kunihiro Fukumori

この記事の掲載号

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在は異なる場合があります。