少数民族が暮らす
3つの村をハイキング

 サパのハイライトは、やはり村への訪問。今回訪れたのは、ラオチャイ村、カットカット村、バンホー村の3カ所。

 起伏の激しい道をハイキングしながら、芸術的なまでに美しい棚田を眺め、それぞれの村に暮らす人々と出会う。

 村によっては入村料があるので、ガイドと一緒に訪問を。歩きやすい靴がオススメだ。

 ラオチャイ村へは丘の上から、棚田の合間の急峻な小道を降りていく。蛇行する川が山の間を流れる、牧歌的な風景が広がる。

 平地に出たものの、慣れないあぜ道に苦戦していると、赤いハンカチをほっかむりした赤ザオ族の一群にあっという間に追い抜かれる。

 水牛と遊ぶ子供たち、手をつないで歩く兄妹などを眺めていると、“古き良き時代”という言葉が頭に浮かんだ。

 カットカット村はサパから比較的近い、黒モン族が暮らす村。

 小道の脇に土産物店が連なり、雑貨作りの実演コーナーや精米機といった農具の展示など、少数民族の暮らしについてわかりやすく紹介している。コース途上にある河畔や滝の水辺で、ひと休みするのも気持ちいい。

 バンホー村は、観光とは縁遠い村。農家の庭先は、豚の飼料にするための乾燥トウモロコシが広げられ、一面黄色に染まっている。

 ガイドが家の中に声をかけ、中に入れてもらった。やや薄暗い土間で、おかあさんが藍染めの方法を手振りで見せてくれたり、赤ちゃんを背負ったおとうさんが自家製のトウモロコシ焼酎を飲ませてくれたり。

 ガイドのフレキシブルな対応で、飾りけのない素朴な暮らしを垣間見られた。

2019.02.24(日)
文・撮影=古関千恵子