米粉を使ったパンを作るお店が少しずつ増えています。今回は、そんな米粉パンのお店の1軒を訪ねました。

 場所は、兵庫県加西市。JR山陽線加古川駅から加古川線で約25分。兵庫県小野市の粟生駅で全長13.6キロのローカル鉄道・北条鉄道に乗り換えます。

 1両のワンマンカーは、日替りのカラフルなカラーだそう。取材日は鮮やかなエメラルドグリーンでした。

 のどかな田園地帯をゴトゴトと走ること10分程。目指した法華口駅は、兵庫県加西市の北条町駅まで続く北条鉄道の真ん中にあります。

 ホームから大正4年に建てられた木造の駅舎に入れば、パンの香りがほんのり。

 20種類余りのパンが並んでおり、奥が工房。待合室は、ほっこりした雰囲気のカフェスペースになっています。

 現役の駅舎を活用したパンのお店「駅舎工房 モン・ファボリ」は、2012年11月にオープン。

 「私のお気に入り」という意味の店名そのままに、近辺の常連客がお目当てのパンを買いに来ます。

 それだけでなく、週末には、手の込んだ「列車パン」を求めて遠方から鉄道ファンやパン好きが訪れる名物パン屋さん。

 「すべてのパンに、地元・加西市産の米粉を使っています。それも、背丈が高くて育成が難しく幻の酒米といわれる品種・野条穂の米粉。加西は、品種改良して野条穂が誕生した地でもあるんですよ」と工房を管理する坪井昭二さん。

 オープン当初、女性の駅長兼パン職人が話題になったお店でもあります。今は、そのレシピを受け継ぎ、同じく女性職人の手によって、丁寧に米粉パンが作られています。

2019.01.27(日)
文・撮影=そおだよおこ