熟成された味わい深い絶品ビーフを
あのプリンス・エドワード島で堪能

　野菜を食べれば「これが本当の野菜の味か」と唸らされ、貝の中に海がまるごと入っているかのようにカキの味は濃厚だ。美味は食材だけには限らない。シェフの味を求めて客は世界中から集う。カナダのプリンス・エドワード島が美味しいものに満ちている理由を探りに出かけた。

穀物とポテトだけを与えた牛の肉を
45日間以上かけて熟成

◆Sims Corner Steakhouse & Oyster Bar
　(シムズ・コーナー・ステーキハウス＆オイスター・バー)

すべての写真を見る

　シャーロットタウンは、歩いてまわるのにぴったりのこぢんまりとした街。19世紀に、カナダ連邦を結成するための会議が開かれた街だけあって、歴史を感じさせる建物も多い。その中にあって、モダンな雰囲気を漂わせるのが2007年に建物をリニューアルしてオープンしたこのレストラン。

　海に囲まれた島だけにシーフードに注目が集まるけれど、実は島産のビーフの評価も高い。なかでもシェフ、カイル氏のこだわりは、穀物とポテトだけを与えた牛の肉を最低でも45日間熟成させることだ。

　ミディアムに焼いてもらったテンダーロインをナイフで切って口に運ぶと、ただ柔らかいだけとは違う弾力を感じた後で、しっかりとした肉の味が口いっぱいに広がった。うまい！

　とはいえ、せっかくだからシーフードも味わいたいのが食いしん坊の性。レストランの奥に位置するオイスターバーでは、島の様々な漁場で水揚げされたカキの食べ比べができる。確かに産地によって姿形も味も違う。ちなみに生ガキは一つ3カナダドル。ついつい、あれもこれもとオーダーしてしまう。

※通貨レートは1カナダドル≒85円(取材時)

Text＝Takeshi Sato
Photo＝Atsushi Hashimoto
Coordination＝Yasuyo Hibino(fish*co.)
Cooperation＝Destination Canada, Tourism Prince Edward Island