ルイ14世も“嫉妬”したおとぎの城
ヴォー・ル・ヴィコント城へ

 ヴェルサイユ宮殿ほど知名度はないが、おすすめなのは、ヴォー・ル・ヴィコント城だ。

 パリ東駅からP線に乗り約35分、シャトルバスに乗り継いで約20分で到着するヴォー・ル・ヴィコント城は、ロマンティックな見た目もさることながら、年間を通してアクティビティが企画されており、訪れる季節それぞれに楽しみがある。

 ヴォー・ル・ヴィコント城は、1656年にルイ14世の財務長官だったニコラ・フーケが大金を投じて建造を開始した城。フーケは、その当時最高の芸術家と言われた、建築家ル・ヴォー、造園家ル・ノートル、室内装飾画家ル・ブランを招喚し、壮大な城を完成させた。だが、その完成度と豪華さに嫉妬したルイ14世により投獄されてしまう……。

 その後、ルイ14世は同じ芸術家を雇ってヴェルサイユ宮殿を作るよう指示したそう。ルイ14世の怒りや嫉妬を買ってしまうほど美しいこの城は、パリから気軽にアクセスできるのに観光客が比較的少ない穴場スポットなので、おすすめだ。

ライトアップからコスチュームプレイまで
季節ごとに楽しめるアクティビティ

 ヴォー・ル・ヴィコント城の、ロマンティックなアクティビティのなかでも圧巻なのが、 5月~10月初旬まで、毎週土曜日の夕方に催されるキャンドルナイト。約2,000個のキャンドルで城館と庭園をライトアップするイベントで、夕暮れどきの散歩にぴったり。

 さらに、今年2018年は、城の一般公開50周年を迎えるアニバーサリーイヤーとあって、毎週土曜日の23時に、金と銀色の花火が打ち上げられる!(天候などにより実施されない場合あるので注意)

 また、毎年6月頃にはコスチュームコンテストが開催される。この日は、大人も子どもも17世紀の“コスプレ”を楽しむ、特別な日。思い思いに着飾った来訪者を見るのも楽しいし、もちろん好きな衣装をまとって参加してもOK!

 常設の馬車美術館も見どころのひとつ。ローマの時代の二輪馬車から、20世紀のベルリン型馬車まで展示されている。

 乗客や馬もリアルに再現されているから、人々が馬車を使ってどのように生活し、移動してきたのかが視覚的にわかるめずらしい展示だ。乗り物好きにとってははもちろん、中世の衣装展ともとれる立体的な絵巻には、まるで自分がその場にいるような感覚に。

 また、クリスマスシーズンのライトアップも見逃せない。庭園が、約1,000個のイルミネーションで彩られるほか、館内もクリスマス仕様にデコレーションされる。ダイナミックで煌びやかな美しい景観は、かけがえのない旅の記憶になりそう。

 2018年のライトアップは11月24日(土)からの予定。冬の旅先候補に加えてみてはいかが?

Château de Vaux-le-Vicomte
(ヴォー・ル・ヴィコント城)

所在地  77950 Maincy ,France
電話番号 +33 (0)1.64.14.41.90
http://www.vaux-le-vicomte.com/

 

【取材協力】
フランス観光開発機構

https://jp.france.fr/ja/

パリ・イルドフランス地方観光局

https://www.visitparisregion.com/