お洒落なフランス租界には
レトロモダンな店がいっぱい

茶館なのだが、お客さんは地元の人ばかり。有名な建物でも、あまり観光客が行かない場所がまだまだたくさんあるのが、フランス租界だ。

 ホテルから歩いて10分ほどのところにある茶館「大可堂」。1933年に建てられたこの洋館は、かつて国民党の将軍の住まいだったという。歴史的にも由緒があるのだが、この茶館ではプーアール茶だけを扱う。その数100種以上で、購入することもできるし、喫茶室で飲むこともできるシステム。

販売されているプーアール茶はお煎餅のように平たく固められたものと、半球の形に固められたものがある。購入するとほぐしてくれるのだが、この形のまま持ち帰ることも可能。

 プーアール茶は、意味や価値的にワインに通じるものがある。古いものは相当に高額で、投資対象にもなっているのだとか。高額になる理由は、まず手間のかかる製法といわれているが、それゆえに毛沢東時代は製造を禁じられ、当時の茶葉などの生産量がもともと少ないことも理由のひとつとか。

レトロな空間で味わうプーアール茶は、また格別。喫茶室でお茶を楽しんでいるのが男性ばかりというのも興味をひいた。一度に何種類ものプーアール茶を楽しむ人も多いという。

 こうした背景のあるプーアール茶を扱う茶館が、かつて毛沢東と闘った国民党の将軍の家だったというのもちょっとブラックな面白さ。フランス租界には未だ多くの高級洋館が残っていて、こちらもやはり高額で取引されているという。

お煎餅型とは別の半球型のプーアール茶。こちらはディスプレイだが、なんかちょっと「徹子の部屋」を思い出します。
喫茶室でお茶をいただくもよし、中国茶の淹れ方を間近で見ることもできる。いろんな質問にも答えてくれる彼女は、3年間、お茶の学校に通ったのだそうな。

大可堂
所在地 388 Xiangyang S Road, Xuhui District, Shanghai
電話番号 021-6467-6577

上海は絶賛オーガニックブーム中で、食へのヘルシー意識がとても高い。そうしたオーガニックの食材販売&レストランの「グリーン&セーフ」は、上海のオーガニック食の老舗だ。NYのチェルシーあたりにありそうな店構え。店内もお洒落だ。

GREEN & SAFE
(グリーン&セーフ)

所在地 6 Dongping Road, Xuhui District, Shanghai
電話番号 021-5465-1288

大沢さつき(おおさわ さつき)
大好きなホテル:LAPA PALACE@リスボン
大好きなレストラン:TORRE DEL SARACINO@ソレント
感動した旅:フィリピンのパラワン島ボートダイビング、ボツワナのサファリクルーズ、ムーティ指揮カラヤン没後10周年追悼ヴェルディ「レクイエム」@ウィーン楽友協会
今行きたい場所:ナミブ砂漠
ブログ https://tabi-travell.com/

Column

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2018.05.15(火)
文・撮影=大沢さつき