1970年代後半から80年代前半にかけて、洋楽の世界を席巻したムーブメントがAOR。アダルト・オリエンテッド・ロックの略称である。

 この短期集中連載は、AORを21世紀に蘇らせる若き2人組ユニット、ブルー・ペパーズの福田直木が、黄金期AORの日本盤LPの帯に記された文章の濃すぎて深すぎる世界へとご招待。最も素晴らしい帯には、(福田)直木賞を勝手に贈呈いたします!

vol.3 ルビ篇

国語のテストなら絶対に点をもらえない奇天烈なルビがいっぱい!

 AORのレコードの帯を紹介するこのコラムの3回目は、帯のキャッチコピーにおけるルビ(読み仮名)にスポットライトを当ててみようと思う。

 ルビとは、本来は漢字の読み仮名を明示するためのモノだが、帯のキャッチコピー上ではしばしばその目的を逸脱し、クリスタルな雰囲気を醸し出すための手段のひとつとして使われていることがあるのだ。

 今回はそんなAORの帯における「ルビ文化」の世界を覗いてみよう。

2018.03.22(木)
文=福田直木(ブルー・ペパーズ)
撮影=平松市聖