エレガントな「フィーメル」って?

キャロル・ベイヤー・セイガー『真夜中にくちづけ』(1981年)

エレガントな女(フィーメル)、キャロル 愛……心に語りかけるアルバム。

 10代の頃から作詞家・作曲家として活躍していたキャロル・ベイヤー・セイガーの3枚目のソロアルバム。のちに夫となるバート・バカラック(現在は離婚)との共作を中心とする極めて質の高い曲を、名うてのミュージシャンたちの演奏で楽しむことができる、紛れもないAORの名作だ。

 しかし、帯のキャッチコピーはシンプルながらも、「女(フィーメル)」には突っ込まざるを得ない。

 「女」と書いて「フィーメル」とは、表外読みにも程がある。わざわざルビを振る意味は感じられず、百歩譲ってもそこは「レディ」の方が自然だろう。

 だが、読み手に強烈な印象を残し、ふとアルバムを聴きたくさせるのがキャッチコピーの作者の策略なのだとしたら、このコラムを書いていること自体が完全に思うツボだ。

 それはともかく、皆さんも明日から女性のことを「フィーメル」と呼んでみてはいかがだろうか。聞き返されること確実だ。

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2018.03.22(木)
文=福田直木(ブルー・ペパーズ)
撮影=平松市聖

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