■星野リゾート 磐梯山温泉ホテル(後篇)

 日本の地方の魅力を掘り起こし、プロデュースすることで日本の観光に一石を投じてきた星野リゾート。その各施設を訪れ、地方らしい遊び方、旅の仕方を再発見していこうというシリーズが「日本を遊ぼう!」です。

 今回ご紹介するのは、「星野リゾート 磐梯山温泉ホテル」。日本酒に焦点を当てた前篇に続いては、雪のゲレンデに繰り出し、思い切り遊びます!

二日酔いしたってOK!
ゆっくりと朝食を堪能

夏場は草ぼうぼうで入っていけない林にも、冬ならスノーシューを履いてがんがん進める。

 ウィンタースポーツと温泉、そして酒どころ会津の日本酒をとことん楽しもうという“冬のあいづ日本酒ガールズステイ”プラン。

前篇では、夜の繁華街に繰り出し居酒屋で飲んだ後は、ホテルの地酒バーで、お部屋でまた一杯。広々とした「会津モダンスイート」で飲んだくれた翌朝は、ゆっくりとスタートしよう。

深酒の翌日、ゆっくり起きたら意外とお腹が空いているのにびっくり。品数の多い“二日酔いご膳”も完食。

 朝ごはんは、遅めの10時からの部屋食。その名も“二日酔いご膳”が提供される。

 まず、身体に優しいそばの実粥にしじみの味噌汁。

 そして、一の重には、“朝ラー”といって朝からラーメンを食べる習慣のある喜多方にならって、中にラーメンとゴマ昆布の入った喜多方オムレツや天ぷら饅頭などの郷土料理が。

 二の重にはワカサギの南蛮漬けとカニとアワビのあんかけ、三の重は季節のフルーツやヨーグルト、パンナコッタにクコの実のデザートと、健康的な素材を使いながらも豪華な仕上がりだ。

左:館内のあちこちで見る赤べこは、会津に蔓延した疫病を追い払ったという赤い牛をかたどった郷土玩具。
右:冬季は、赤く塗る前の白い牛を無数に吊るした“白べこツリー”が飾られていた。

 朝食後のお茶はホテルラウンジに行って“薬研(やげん)こしぇる茶”を楽しむ。

 7時から12時までの間、会津の薬草やハーブの中から好きなものを薬包に取り、漢方の薬種を挽く道具である薬研を使ってお茶を作るというアクティビティだ。

サルノコシカケやドクダミといった、どんな味になるのか興味のわく珍しい薬草も。

 会津若松にある国指定の名勝、会津松平氏庭園の中には、薬草や薬木が数多く栽培されている“御薬園”があり、さまざまな薬草茶が嗜まれてきた。そんな歴史を聞きながら、ゴリゴリと薬研を使って自分だけの薬草茶を作るのは、なかなか楽しく、身体にもよいとあって一石二鳥。

鉄で出来た薬研を使って、本格的な感じのする薬草茶作りを。

2018.02.25(日)
文=小野アムスデン道子
撮影=鈴木七絵