トラベルライターの旅のデジカメ虫干しノート

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グランピング天国の南アフリカで
サファリロッジ6軒をホッピング!

 世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、交替で登板します。

 第170回は、芹澤和美さんが南アフリカの大地でさまざまなアクティビティを楽しみます!

野生の象との秘話が残る
スモールラグジュアリー

天蓋付きのベッドや大理石のバスルームなど、豪華な設備が心をくすぐるサファリロッジ。

 ここ数年で何度か訪れている南アフリカ。11の公用語と多民族が織りなすユニークな文化、リーズナブルでおいしい南アフリカ産ワイン、洗練された料理、ダイナミックな絶景に美しい都市の風景……と表情は多彩で、旅するほどに惹かれている。

夕陽を眺めながらワインを楽しむサンダウナーは、ロッジが提供する定番アクティビティのひとつ。

 魅力が尽きない南アフリカだが、醍醐味といえば、プロのレンジャーとともにオープンカーで野生動物を観察する「ゲームドライブ」だろう。

 宿泊するのは、国立公園や私営動物保護区内にあるロッジだ。ロッジといっても、たいていは4ツ星以上。野生動物を信じられないほど間近で眺め、優雅な空間でくつろげるのなら、はるばる南アフリカまで足を運ぶ価値がある。というわけで、思いきって6軒のサファリロッジをホッピングする旅に出た。

クルーガー国立公園近隣のサファリロッジに泊まるゲストの多くが利用するスククーザ空港。象のオブジェがお出迎え。

 最初に訪れたロッジは、南アフリカの北部、カパマ私営動物保護区のなかにある「キャンプ・ジャブラニ」。

 隣接するクルーガー国立公園は、四国がすっぽりと収まるほど広大な面積に多種多様な動物が生息する、この国最大の鳥獣保護区だ。私営動物保護区と国立公園との境界にフェンスはなく、動物たちは双方を自由に往来している。

大自然を眺めながら食べるのは、一流のシェフが腕を奮う料理。

 「キャンプ・ジャブラニ」は、厳しい審査のあるフランスのホテル・レストラン協会、ルレ・エ・シャトーに加盟しているラグジュアリーなロッジ。広大な敷地に、レセプションやライブラリーのあるメイン棟と、6棟のヴィラ、2棟続きのファミリー向けヴィラ、スパ棟が立っている。

 人気が高く満室が続いているが、ゲストが1日7組しかいないため、レストランやスパが混み合うことはない。滞在中は、大自然を独り占めしているような気分だった。

暖炉のあるスペースは、まるで邸宅のリビングのよう。

 レセプションがあるメイン棟から橋を渡って、森の中にあるヴィラへ。ドアを開けた瞬間、目に飛び込んだのは、長旅の疲れを吹き飛ばすような空間だ。

 部屋には、暖炉とソファのあるリビングスペース、大きなバスタブとダブルシンクのバススペース、天蓋付きのベッドが完備され、「ようこそ」とばかりに迎えいれてくれる。窓のむこうには、ブッシュと一体化したかのようなプライベートのプールが。

クラシカルな家具を置いたメイン棟。窓の外にはワイルドな風景が。

 この素晴らしいロッジの始まりは、ある一頭の象とオーナーとの出会いがきっかけだという。

 約20年前のある日、オーナーは泥沼で倒れていた赤ちゃん象を発見。孤児であるこの象を、「喜び」を意味する「ジャブラニ」と名付け、野生に返すべく治療とリハビリを施した。だが、人に慣れてしまったジャブラニは野生では生きてゆけず、オーナー一家と共に暮らすことに。

 ちょうどその頃、隣国ジンバブエで命の危機に瀕していた12頭の象も保護し、2004年、象たちとゲストが交流できるこのロッジが誕生した。

象に愛情を注ぐスタッフの心を知ってか、どの象も優しくおおらか。

 そんな背景から生まれた「キャンプ・ジャブラニ」は、象たちとの触れ合いも楽しみのひとつ。一緒に散歩をすると、いかに彼らが賢いかが分かる。

 現在は動物保護の観点から中止となっているが、賢くて可愛らしい象の背に揺られてブッシュを歩いたエレファント・バック・サファリも、忘れられない温かな思い出だ。

Camp Jabulani
(キャンプ・ジャブラニ)

所在地 Kapama Private Game Reserve, Hoedspruit, Limpopo Province, 1380
電話番号 015-793-1265
http://campjabulani.com/

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2017.11.25(土)

文・撮影=芹澤和美

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