憧れでもあった
行定勲監督の『ナラタージュ』に参加

――ちなみに、『逆光の頃』では高杉さんと一緒に「アクション監督」としてもクレジットされていますが、2人の喧嘩シーンはどのように組み立てられたのですか?

 最初は小林監督が「こうやって、こうやって、こう倒れる」みたいな殺陣を付けられていたんですが、本番で取っ組み合いをしていると、やっぱりそのような流れにならないんです。それで、「最後だけ決めて、あとは自由にやろう」ということになって、ああいうリアルな感じになりました。監督が、「ここは、こうしたらどうですか?」と自分が意見を言いやすい環境を作ってくれたのも有難かったです。

――現在公開中の最新出演作『ナラタージュ』では松本潤さん演じる高校教師・葉山が顧問を務める演劇部の男子部員・新堂を演じられていますね。

 『GO』『世界の中心で、愛をさけぶ』『パレード』『ピンクとグレー』など、行定勲監督の作品をよく観ていたので、オーディションのときに目の前に監督がいらっしゃることが嬉しかったんです。そして、松本さん、有村さんを始め、第一線で活躍している方と一緒にお芝居させてもらったことで、自信にもなりました。富山でのロケも楽しかったです。

――ストーリー終盤には、大きな見せ場もある新堂の役作りのようなものは?

 衣装合わせのときに、行定監督から「そのままでいいよ」と言われたので、特にしませんでした。ちょっと悩んだんですが、新堂は目上の先輩と話すことが多い役でもあるので、いつも監督と話しているときの素の自分を出せればいいと思いました。ただ、感情が一気に爆発するお芝居は初めてだったのですが、共演者やスタッフのみなさんが雰囲気を作ってくださったので、気持ちも入りやすかったです。

2017.10.20(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘