17歳のときに雑誌「non-no」の専属モデルとしてデビュー、「森きみ」の愛称で親しまれ、結婚して母となった今もモデルとして活躍している森貴美子さん。パンが大好きで朝食はパン派という森きみさんが、行列パン、ご当地パン、コンビニパンなどなど、実際に食べて1年間撮りためたパンの写真をもとに綴った書き下ろしエッセイ集『森きみのパンダイアリー 毎日がパン日和』が刊行されました。

 この特集では、その著書の中から6本のエッセイを特別にお届けします。

●昔懐かしコッペパン

 「コッペパン」と聞くたびに頭に浮かぶ絵があって、それはかの有名な絵描き歌の完成の絵なのですが、私はその「かわいいコックさん」という「棒が1本あったとさ」から始まる、歌詞いわくアヒルだというコックさんの絵を、コッペさんと呼んでいました。歌詞にはアンパンも豆も出てくるのだけど、最後に靴をつけるときのコッペパンふたつ~♪が頭の中に残っていたのか、私の中でこの絵描き歌のコックさんはコッペさんなんです。

 コッペパンといえば、小学校の頃の給食にもかなりの頻度で出ていた一軍パン。ちょうど日本の深刻な米不足騒動とぶつかって、パンの割合はより高くなり、よく顔をつき合わせていた給食のド定番のパンでした。その頃に十二分に食べてしまったので、それから見向きもしなかったコッペパンだったのですが、パン好きの間では知らない人はいないほどの有名店、東京・亀有の「吉田パン」のコッペパンを目にしたときに、昔懐かしさに感動し、幼なじみと再会したような気持ちに。

 「吉田パン」のコッペパンはおかず系から甘い系まで、中身の種類が数十種類と豊富で、「クッキー&バニラ」とか、「そぼろレンコン(ポテトサラダ入り)」とかそれ挟んじゃう!? という変わり種もたくさん。合わせ技の「あんマーガリン」や「きなこ&ピーナッツ」などは、ぱかっと開いた片面ずつにそれぞれみっちり塗ってあって……。マーマレードも眩しくなるほど両側に塗ってあり、ふかふかなパンに負けないボリューム。

 コッペパンを手にすると、まるで可愛い小動物を撫でているようなほっこりとした気分に。丸っこくて可愛くて癒される、昔懐かしいパンです。

吉田パン
所在地 東京都葛飾区亀有5-40-1
電話番号 03-5613-1180
http://yoshidapan.jp/

『森きみのパンダイアリー 毎日がパン日和』

著・森貴美子
本体1,300円+税 文藝春秋

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森貴美子(もり きみこ)
神奈川県出身。雑誌「non-no」モデルとして、17歳でデビュー。「森きみ」の愛称で親しまれ、以後12年間レギュラー出演し、2010年3月に卒業。現在は、数々のファッション誌やCMで活躍中。著書に『森きみの毎日の家事が楽しくなるシンプル暮らし』『森きみのハッピーエブリデイ』『森きみタイム』『humming life』などがある。