マッキー牧元の「いい旅には必ずうまいものあり」

マッキー牧元の「いい旅には必ずうまいものあり」

アンデスとアマゾンの食材だけで料理
「Malabar」のコースをすべて公開!

vol.22 ペルー(3)
この10年、アンデス山脈とアマゾンで
食材の発掘と研究に費やしてきたシェフ

 50!!

 リマとクスコの美食探訪旅行で初めて食べた食材の数である。様々な国を訪れたが、こんな国はない。その多様さを知るには、9月に行われるペルー全土の食の万博「ミストゥーラ」(後報)か中央市場(同じく後報)を訪れるのが一番である。

 ただし前者は、事情通がいないと理解できないものがあるし、後者は安全性に問題がある。ではレストランでその一端を味わうことができるのは、と考えれば、今回の2軒を訪れるのが一番であろう。リマ市内にある「Malabar」と「Amaz」である。

「Malabar」のダイニングルーム。

 オーナー及び経営者は同じ、ミゲル・スキアッフィーノシェフである。彼はこの10年をアンデス山脈とアマゾンでとれる食材の発掘と研究に費やしてきたという。いずれもペルーの食材だけをつかい、前者はモダンでイノベーティブな料理を出し、後者はアマゾンに特化した食材に絞り、より郷土料理に即したものを出す。

 訪れるなら、「Malabar」から「Amaz」の流れで行くのが、より理解しやすいと思われる。それでは2回にわたり。両店の料理をご紹介したい。

 「Malabar」は、2015年度ラテンアメリカのベストレストラン50で第20位のレストランである。ダイニングはシンプルだが、ウェイティングルームはNYにあってもおかしくないようなセンスがある。

ウェイティングルーム。

 手渡されるメニューはアラカルトだが、はじめてなら、ぜひ7皿からなるテイスティングメニューをオススメしたい。

Tasting Menu
(テイスティングメニュー)

#01 yucca bread

 3種類のユッカ(キャッサバ)で作ったパン、ユッカとチーズのクリスピーチップ、ホワイトユッカのパン、ユッカのパン(ポンデケージョ)。

 ユッカの優しい甘みが生きていて、ほのぼのとしたおいしさがある。ポンデケージョでおなじみな、モチモチとした食感も微笑ましい。

 添えられているのは、チェスナッツとチーズのクリーム、アーモンドチップのせ。黒いのは、ユッカ・ブラヴァ(ユッカの根の仲間で毒性が強い。その毒を取り除くため、すりつぶした根に水を混ぜ、6日間布で濾してからペーストをし、ヘビのような形のヤシの葉(マタフリオと呼ばれる)でしっかり絞る。その濃厚な液体は、豊かな魚用ソースのベースとなり、絞りかすは小麦粉のような粉末となる)を発酵させて作ったアヒ・ネグロ。

 緑のものは、茄子にケールペーストをあえたもので下のケールのはごとくるんで食べる。茄子のほの甘味に青々しい香りがかぶさって、新鮮な体験をもたらす。

<次のページ> 地元野菜や穀物への深い愛が伝わってくる

2017.04.06(木)

文・撮影=マッキー牧元

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