伝統料理や屋台のB級グルメのおいしさに注目が集まる台湾。しかし最近では日常スタイルの食事とは一線を画しながらも、王道の味を受け継いだファッショナブルな新感覚レストランが登場。スタイリッシュなグルメ達が集う場所となっています。

 進化した台湾における食ライフスタイルを五感で体感できる、素敵なレストランを紹介します。

世界トップクラスシェフの味を
身近で体感できるモダンガストロノミー
「RAW」

エントランスは全面ガラス張り。特別な日のディナーに利用したい。

 大きなガラス張りの扉を開けると巨大な南方松の、大きく優しい曲線でデザインされたアート作品のようなバーカウンターとチェアーが出迎えてくれます。特別な日のディナーなら、予約時間より少し早目に来店し、まずこのウェイティングスペースで寛ぐところからRAWタイムを楽しむのがお薦め。なぜなら台湾でトップクラスの、予約が難しいレストランだから。やっと予約が取れたのだからこそ存分にRAWを感じましょう。

 オープンしてから2年がたちますが、いまだその人気は衰えを知りません。予約受付はインターネットのみ。毎日12時に2週間後の予約の受け付けを開始しますが、あっという間に全60席がいっぱいになってしまう人気ぶりなのです。

広々したウェイティングスペース。

 ウェイティングスペースからメインダイニングへ。ダークな木目の重厚なテーブルとイスは、すべてオリジナルデザイン。照明を少し強めに照らしていることもあり、カジュアルな雰囲気の中でお食事を楽しめます。

左:レストランのセンターには大きなバーカウンターが。
右:こちらの席を8名以上で予約すれば、憧れのシェフズディナーも可能。

 特筆すべきはホールスタッフの人数。ゲストが呼び止める必要もないほど行き届いた気持ちのいいサービスで対応してくれるのがうれしい。コースは1,680元+10%の1コースのみ(全8品)。メニューは3カ月に一度変わります。テーブル上に、次の写真のようなメニューが準備されており、各料理の特色となっている素材が記載されています。

左:その季節に最もおいしい、旬の食材を使った料理を提供。
右:2017年春メニューの一品。「タラバ蟹と青豆のチキンジュレソース きんもくせい風味」。この日は特別にウニをあしらってくれました。

 年間を通じて提供する料理は24品。台湾の暦として存在する「二十四節気」に基づいて作られています。その季節に合った旬な料理を提供するには、昔から伝わるこの台湾暦をベースに生み出すことがベストという考えによるものとのことです。

 なお3カ月に一度のメニューチェンジで年間24品目だと、残り3カ月はどんなメニューが? という疑問が湧いてきますよね? なんと一年の締めくくりはベスト・オブ・ザ・イヤー的な、その一年で人気だったメニューをお楽しみ頂くというスタイルでコースメニューを決定しているとのことなので、そんな特別な時期に訪れるのもいいかもしれませんね。

RAW
所在地 台北市樂群三路301號1F
交通 MRT劍南路駅から徒歩約8分
電話番号 02-8501-5800
営業時間 11:30~14:30、18:00~22:00
定休日 月、火曜

2017.03.09(木)
文・撮影=矢作晃之