映画『君と100回目の恋』で、前回登場の竜星涼らとともにバンド仲間・鉄太を演じた泉澤祐希。次期朝ドラ「ひよっこ」でも、有村架純演じるヒロインの幼なじみ役に抜擢された、子役出身の演技派の魅力に迫ります。

天才子役と謳われた「白夜行」の裏で

――5歳のときに、子役としてデビューされた泉澤さんですが、先に子役をされていたお兄さんの影響も大きいですか?

 それもあるとは思うんですが、親に連れられて、気づいたら始めていました。自分から「この仕事をやりたい」と言った記憶はないんです。ただ、小さい頃からTV好きで、よく見ていたので、どこかで興味があったことを親が察していたのかもしれません。ただ、オーディションに行っても、ずっと泣いていたようですね。

――ちなみに、現場での最初の記憶みたいなものはありますか?

 デビューして、すぐだったと思うんですが、NHKの朝ドラ「すずらん」(99年)で、猫を抱くシーンがあったんです。それで知らぬ間に目や顔がパンパンに膨れ上がってしまって、現場で迷惑をかけてしまったんです。そのとき自分が猫アレルギーだということを知りましたし、この仕事って大変だなぁと思ったことを覚えています。

――その後、06年放送のドラマ「白夜行」では山田孝之さん演じる主人公の幼少時代を熱演し、天才子役として注目されました。

 あの頃は、辛い思い出しかないです。(殺人を犯してしまう)あの役だけじゃなく、あの頃は重たくて辛い役を演じることが多かったんですが、子供だったこともあって、そのときの感情みたいなものがまったく理解できなかったんです。だから、「なんで、こういうお芝居をしなきゃいけないんだ?」と悩んでいましたし、現場に行っても全然楽しくなかったので、泣いてばかりでした。その後、ドラマ「モテキ」(10年)でも(森山未來さん演じる)主人公の幼少期を演じたんですが、そのときは全然違いましたね(笑)。

2017.02.17(金)
文=くれい響
撮影=鈴木七絵