英国風エールを根付かせたブリュワリー

「グラナイト・ブリュワリー」のタイドハウス(ブリュワリー直営パブ)。陽気のいい日にはテラス席が気持ちいい。

 「グラナイト・ブリュワリー」が産声を上げたのは、カナダの大西洋側に張り出したノバスコシア州にあるハリファックス市。1985年のことだった。

店内はイギリス風のシックなインテリア。壁には書斎のような書棚が設えてあって落ち着く。

 創業者のケビン・キーフさんは、イギリスのリングウッド・ブリュワリーで修業、英国スタイルのエールビールを故郷で造りたいと思っていた。その後、兄弟のロンさんがパートナーとなり、トロントにビール醸造所を開くことになった。

 トロントでの創業は1991年のこと。当時、トロントでは大量生産されたビールが主流で、クラフトビールそのものが知られていなかった。そんな中、彼らは質の高いビールを造り続けたのだ。

 それから25年、今ではトロントのビール好きの間で人気の英国風タイドハウス(ブリュワリー直営パブ)となった。「このビールを根付かせるためには多大なエネルギーを使ったよ」と、ロンさんは語る。

左:ロン・キーフさん。娘のメリー・ベス・キーフさんとともに伝統的な製法のエールビールを造りつづけている。
右:伝統製法を守り続けているイギリス風エールビール。この日は、オンタリオ・クラフト・ブリュワーズのオリジナルグラスで。

 「グラナイト・ブリュワリー」では、今でもビール造りは家族で行っている。ロンさんの後を受け継いで、ビール醸造を指揮するのは娘のメリー・ベスさん。その確固たる醸造哲学が、25年の歴史を経てなおも次の世代に継承されているのだ。

左:ビールに合わせた料理のメニューも充実している。
右:チーズを載せて焼いたパンにはナイフが刺さっていて豪快だ。

 タイドハウスには、ビールが進む料理も各種揃っている。フィッシュ&チップスを始め、ストリップロインステーキ、砕いたクルミをまぶしたサーモンフィレ焼き、ラムカレー、クリスピーカラマリ(イカフライ)、ローストチキンなどなど。ビールだけでなく、料理も英国風メニューを充実させている。地元で人気の秘密はビールだけではないというわけだ。

この日の夕食にはオンタリオ州農水省のジェフ・リール大臣が同席して、同州の飲料・食料品産業の誘致支援策への意気込みを語ってくださった。

 この日いただいたお料理は、盛りつけが豪快で、ビールがおいしく飲めるようにと味付けは少し濃いめ。1日の終わりに、ついついビールが進んでしまったのだった。

The Granite Brewery & Tied House
(グラナイト・ブリュワリー&タイドハウス)

所在地 245 Eglinton Ave E, Toronto, Ontario M4P 3B7
電話番号 416-322-0723
http://www.granitebrewery.ca/

【取材協力】
オンタリオ州農水省

http://www.investinontario.com/food

たかせ藍沙 (たかせ あいしゃ)
トラベル&スパジャーナリスト。渡航140回超・60カ国超、海外スパ取材230軒超、ダイビング歴800本超。日々楽しい旅の提案を発信中。著書は『美食と雑貨と美肌の王国 魅惑のモロッコ』(ダイヤモンド社)、薔薇でキレイになるためのMOOK『LOVE! ROSE』(宝島社)など。楽園写真家・三好和義氏と共著の『死ぬまでに絶対行きたい世界の楽園リゾート』(PHP研究所)が4刷、台湾版も好評につき、中国版出版! 第2弾『地球の奇跡、大自然の宝石に逢いに… 青の楽園へ』好評につき、こちらも中国版出版制作中! 『ファーストクラスで世界一周(仮題)』2017年春刊行予定。
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