野球大好き夫婦のマイクロブリュワリー

トロント市の東の端、100年以上前にレンガ工場として造られた建物を使っている。

 トロントの街の東端にある「レフト・フィールド・ブリュワリー」は、野球好きでビール好きのご夫婦、マーク・マーフィーさんと妻のマンディーさんが、2013年に造ったブリュワリー。もともとふたりは趣味のホームブリュワリーでビールを造っていたが、趣味とはいえ、その腕前はクラフトビール会社の下請けもしていたほど。

マーク・マーフィーさんと妻のマンディーさん。とても仲のいいご夫婦だ。

 夫のマークさんは、子供の頃からの熱心な野球ファン。公認会計士というキャリアを離れ、大好きな野球をテーマにした大好きなビール造りを始めたのだ。名づけた社名は「レフト・フィールド」で、ロゴは野球ボールのイラスト入り。ビール名も「デイゲーム」、「キャノンボール」、「ファームチーム」などと、野球にちなんだ名前が付けられていたりする。

煉瓦造りの壁に、ビールのステンレスタンクがよく似合う。

 2013年に独立した後、2015年、トロントの東の端に新しい拠点をオープンさせた。レンガ工場だったという、築100年超の建物だ。赤レンガ造りの建物の中にビールタンクがよく似合っている。

左:マークさんとともに働くふたりの醸造家のうちのひとり、ロブ・ウェルチさん。
右:できあがったビールは人の手でボトリングしている。

 ふたりで造っていた趣味のビールは、12人で造るマイクロブリュワリーのビールとなった。マークさんとともに、ナイアガラ大学で醸造を学んで2012年に卒業した醸造家のオースティン・ローチさんも加わった。

併設のバーでは造りたてのビールを楽しむことができる。年中無休で、夕方にもなると近隣のビール好きたちが集まってくるという。

 「レフト・フィールド・ブリュワリー」の信条はシンプルだ。「素晴らしいビールは、美味しくて楽しい時間をもたらす」ということ。大好きな野球からインスピレーションを得て、自分たちが飲みたいと思うビールを造っているのだという。

左:マークさん渾身のIPAのレジン・バッグ(左)と、ブラウンビールのイーファス(右)。どちらも野球用語の名前が付いている。
右:ブリューパブの一角では、ロゴがプリントされたオリジナルのグラスを始め、Tシャツや帽子などを購入することもできる。

 2015年から増産しているとはいえ、小さなブリュワリーなので近隣のマーケットとカナダ国内の顧客にのみ販売している。日本では飲むことができないので、ぜひ併設のバーで造りたてのビールを楽しんでほしい。

Left Field Brewery
(レフト・フィールド・ブリュワリー)

所在地 36 Wagstaff Drive, Toronto, Ontario M4L 3W9
電話番号 647-346-5001
http://www.leftfieldbrewery.ca/

2016.11.28(月)
文・撮影=たかせ藍沙