【次に流行るもう一曲】
DOBERMAN INFINITY「いつか」

EXILEの事務所に所属する注目株グループ

伊藤 2曲目はDOBERMAN INFINITYの3rdシングル「いつか」。彼らはEXILEや3代目J Soul Brothersと同じLDH所属、だけど他グループよりも尖ったイメージとロックテイストのサウンドが特徴的。まだデビューから1年半だけど、これから目立ってきそうなグループですね。レーベルがトイズファクトリーというところも面白い。

山口 他のLDHグループと比較しても、サウンド的に、少し先を行こうとしている印象ですね。

伊藤 ビジュアル的にもヤンキー度が高い(笑)、今っぽいヤンキー、日本のヤンキー文化の最新って感じ(笑)。クレジットを見てみると、カップリングも含め作詞は常にメンバー全員で。作曲の方は、オレもよく知っている外国人クリエイターもいれば、去年の真鶴の「クリエイターズキャンプ」(外部サイト)に参加していたクリエイターもいて、盛大にコーライティングしています。カップリングの「Night Drive」はアーティスト自身も作曲に参加しているのですが、7人でコーライティングって(笑)、どんな感じでやっているのか興味あります。なんだかメンバー全員で、って感じがブラザーノリっぽいですよね。

山口 コーライティングって、アメリカの黒人ミュージシャンの間で広まったやり方でしょうから、ヒップホップやR&B系の音楽だと相性がよいですよね。新しい世代がどんどんコーライティングをやってJポップの幅が広がると良いなと思います。今年のクリエイターズキャンプ真鶴は5月の最後の週末に行う予定なので、今から楽しみです。

伊藤 かなり強力なクリエイターたちが参加するので、面白くなりますよ。クリエイターはもちろん音楽業界のみなさん、単に興味のある人たちも試聴会やアフターパーティに遊びに来てください!

DOBERMAN INFINITY「いつか」
トイズファクトリー 2016年4月13日発売
初回限定盤[CD+DVD]1,750円、通常盤[CD]1,111円(税抜)
■2000年からDOBERMAN INCとしてメジャーレーベルでも活動してきたグループが、2014年にDOBERMAN INFINITYに改名。ほぼ時を同じくして2名の新メンバーを加え、現在の5名体制で再出発を果たす。2016年3月に行われたワンマンツアーは、5公演すべてが完売。追加公演として4月に計4本の単独ライブが開催される。
■「いつか」作詞/KUBO-C、GS、P-CHO、SWAY、KAZUKI 作曲/SKY BEATZ、FAST LANE、ERIK LIDBOM
■オフィシャルサイトURL http://dobermaninfinity-ldh.jp/

【動画サイト】
「いつか」

URL https://www.youtube.com/watch?v=08a2vRG41SI

山口哲一 (やまぐち のりかず)
(株)バグ・コーポレーション代表取締役、コンテンツビジネス・エバンジェリスト、音楽プロデューサー。「デジタルコンテンツ白書」(経済産業省監修)編集委員。経済産業省「コンテンツ産業長期ビジョン検討委員会」委員。国際基督教大(ICU)高校卒。早稲田大学在学中から音楽のプロデュースに関わり、中退。1989年、バグ・コーポレーションを設立。音楽プロデューサーとしてSION、村上“ポンタ”秀一のマネージメントや、東京エスムジカ、ピストルバルブ、Sweet Vacationなどの個性的なアーティストをプロデュースする一方、音楽ビジネスとITに関する実践的な研究を行っている。プロデュースのテーマは、新しいテクノロジーの活用、グローバル展開、異業種コラボレーション。2011年頃から著作活動を始め、国内外の音楽ビジネス状況の知見を活かし、音楽(コンテンツ)とITに関する提言を続けている。エンタメ系スタートアップを対象としたアワード「START ME UP AWARDS」をオーガナイズし、プロ作曲家育成「山口ゼミ」や「ニューミドルマン養成講座」を主宰するなど、次世代の育成にも精力的に取り組む、異業種横断型のプロデューサー。近著に『新時代ミュージックビジネス最終講義』(リットーミュージック)、『10人に小さな発見を与えれば、1000万人が動き出す。』(ローソンHMV)、『最先端の作曲法 コーライティングの教科書』(リットーミュージック・共著)、『とびきり愛される女性になる。 恋愛ソングから学ぶ魔法のフレーズ』(ローソンHMV・伊藤涼との共著/「ラブソングラボ」名義)、『DAWで曲を作る時にプロが実際に行なっていること』(リットーミュージック)、『世界を変える80年代生まれの起業家 起業という選択』(スペースシャワーブックス)、『プロ直伝! 職業作曲家への道』(リットーミュージック)などがある。
Twitter https://twitter.com/yamabug
BLOG http://yamabug.blogspot.jp/
詳細プロフィール http://yamabug.blogspot.jp/2010/05/profile.html

伊藤涼 (いとう りょう)
音楽プロデューサー、ソングライター。「青春アミーゴ」などのミリオンセラーをプロデュース、後にフリーランスに。ソングライターとして、乃木坂46「走れ!Bicycle」、AKB48「ここにいたこと」などの作品がある。作詞アナリスト、フードミュージックプロデューサーとしても活躍。論理的で明晰な分析力に注目。著書に『作詞力 ウケル・イケテル・カシカケル』(リットーミュージック)、山口哲一との共著に『最先端の作曲法 コーライティングの教科書』(リットーミュージック)がある。
マゴノダイマデ・プロダクション http://www.mago-dai.com/
ブログ「伊藤涼の音楽」 http://ameblo.jp/magodai/
伊藤涼が主宰する作詞研究室リリック・ラボ 
https://www.facebook.com/lyric.laboratory/?ref=ts&fref=ts

Column

来月、流行るJポップ チャート不毛時代のヒット曲羅針盤

音楽ビジネスとITに精通したプロデューサー・山口哲一。作詞アナリストとしても活躍する切れ者ソングライター・伊藤涼。ますます混迷深まるJポップの世界において、この2人の賢人が、デジタル技術と職人的な勘を組み合わせて近未来のヒット曲をずばり予見する!

2016.03.30(水)
文=山口哲一、伊藤涼