来月、流行るJポップ チャート不毛時代のヒット曲羅針盤

来月、流行るJポップ チャート不毛時代のヒット曲羅針盤

新グループ“欅坂46”が目指すのは
同世代女子から支持されるアイドル?

 音楽ビジネスとITに精通したプロデューサー・山口哲一。作詞アナリストとしても活躍する切れ者ソングライター・伊藤涼。ますます混迷深まるJポップの世界において、この2人の賢人が、デジタル技術と職人的な勘を組み合わせて近未来のヒット曲をずばり予見する!

 さて、近々リリースされるラインナップから、彼らが太鼓判を押す楽曲は?

【次に流行る曲】
欅坂46「サイレントマジョリティー」

秋元康が手がける「坂道シリーズ」第2弾

伊藤前回のスティービー・リッチー「Come on! Come on! Come on!」に引き続き、秋元康プロデュース作品。乃木坂46に続く「坂道シリーズ」第2弾、応募総数22509名の中から選ばれたメンバーで活動をスタートした欅坂46のデビューシングル「サイレントマジョリティー」です。

山口 アイドルに対して感度が低めの僕でも、「坂道シリーズ」のネーミングで、鳥居坂から欅坂に変更されたことは知っていますから、AKB48関連の情報力って凄いですよね。「あれ、まだデビューしてなかったんだ?」とは思いましたけれど。

伊藤 ですよね。去年の紅白にもAKB関連グループと一緒に出演していたし、深夜だけど冠番組もすでに持っていますし。

山口 秋元康プロデュースのアイドルというと、世代的に僕は、オールナイターズ、おニャン子クラブの頃からの変遷を想起させられるのですが、あの頃が「オールナイトフジ」「夕焼けニャンニャン」と完全な地上波テレビが主導のアウトプットだったのに対して、AKB48以降は、ネット+ライブを大切にしているということに時代の変化を感じます。

伊藤 そうですね。最近のアイドルは冠番組を持っていたって深夜帯だし、コアファンに向けた出口という感じ。デビュー当時のAKBのコンセプトが“会いに行けるアイドル”だったように、ライブで会えるというアイドルがここ数年の主流ですよね。

 最近では秋葉原だけでなく、原宿にも「原宿駅前ステージ」というのができて、毎週末アイドルによるライブをやっていますね。ライジングプロダクションが仕掛けているんですけど、チケットが全く取れなくてプレミアムチケット状態。先日、招待していただいてライブを観させてもらったんですけど、ステージはランウェイがあったりと原宿らしくちょっとファッショナブルで、ファン層も、オタク族はもちろんいるんですけど、普通の女子もチラホラいて新しい感じでした。ライジングプロだけあってダンスや演出もハイクオリティだし、出演しているアイドルもモデルをやっている女の子が多いみたいで、ルックスはアンダー・ギャランティでした。

山口 乃木坂にしても欅坂にしても、単純に「女の子が可愛い」というクオリティの高さがありますよね(笑)。

 業界的には「ライブアイドルシーンはもう終わり」と言われ始めてもいますが、一方で流行というものは、終盤戦が一番お金が儲かるという傾向もあります。芸能界とは無縁の会社が「運営」という名で、いわゆる“地下アイドル”の事務所をやるという形で裾野が大きく広がりました。これはブームが終わっても、何らかの形で定着するでしょうね。

 僕から見ると、LINE LIVEとかSHOWROOMといったIT企業が行うマス的なメディアやインターネットラジオなど、多様化したメディアを介してユーザーとアイドルが繋がり、「エンゲージメント」する現象が面白いです。そこに、テレビとネットという二分論はない。

<次のページ> 乃木坂46との棲み分けはどうするのか?

2016.03.30(水)

文=山口哲一、伊藤涼

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