LOVE:ローストチキン
赤坂の秘宝と化したロティサリーマシーン、稼働!

赤坂|キッチャーノ

 このコラムの初回を飾った肉イタリアン「キッチャーノ」(記事はこちら)。オープン直後にお邪魔してこのコラムを書き、その後も数回うかがっているのだが、ちょっと間が空いての訪問となった。今回「行かねば!」そして「2回めでも書かねば!」となったのには相応の理由がある。

半年ぶりに稼働したマシーンは順調にチキンを回す。

 「キッチャーノ」のメニューを初めて見たときから非常に気になっていたのが「ローストチキン」の存在であった。厨房とテーブルの間のスペースにある、なんとも美しいローストチキン専用のマシーン。うちのマンションの隣に住む独身男性が先日高級イタリア車を買い、その美しさに毎日見惚れ(そして自転車をぶつけないように戦々恐々とし)ているのだが、こちらのロティサリーマシーンも同じくらい美しい。いや、本当に。

 このマシーンで丸焼きにするというブレス鶏をとても食べてみたいと思いつつ、「キッチャーノ」に行くとなったら誰もが熟成牛を食べたいと言う。そりゃあ、名物だし、目の前でおいしそうに熟成されているし、というわけで、この願いは一生叶わないのではないかと思って月日を重ねてきた。

 しかも、ローストチキンは4名からの注文なので、「キッチャーノであえてローストチキンを食べたい」という酔狂な人物をあと3人も探さねばならない。ただでさえ友人・知人が少なく、ていねいな説得もできない私にはあまりにも遠い存在であったのだ。

ナイスバディのチキンが黄金色に輝く。

 事態が好転したのは、美しいマシーンを見て早5年が経とうとしているある日。同業者が「キッチャーノのローストチキンが食べたいんだよね……」とポツリ。「私も! 私も!」と挙手! また挙手! ありがたいことに彼女は行動力もコミュニティも持ち合わせており、てんでバラバラだが「キッチャーノのローストチキンが食べたい」4名でテーブルを囲むことができた(そのうちひとりは悲しいかな「初めてのキッチャーノ体験なのに熟成肉を食べられない」という貴重な存在となってしまったようだが)。

 この日は、ローストチキンスペシャルとして、お料理はおまかせで。もしかしたらオンメニューじゃない料理もあるかもしれないが、ご容赦を。

まだお腹が空いていたスタート地点(スタート地点)。と、卒業式っぽく思い返してみる。

 ラディッシュの小さなサラダをポリポリとかじり、胃の準備運動をしていたら、しずしずと運ばれてきたのはあたためられた丸パン。お腹が空いていたのでかぶりつくと、中からは栗がころりと登場し、ふいをつかれる。食事パンなのに好物すぎる味で、サブにできない雰囲気! 我慢して少~しずついただきましたけどね。

生ハムメロン。こちらの生ハムは舌に旨みがまとわりつくようなおいしさです。

 前菜その2は生ハムメロン! こちらは、素晴らしく美しい生ハムスライサーもありまして、向こうが見えるほど薄く、しかもしっかりとした面積を保って切り出してくれる。生ハムも違うんだろうけど、切り方ひとつでも他店ではなかなか味わえない生ハムにはいつも感動。

 今日は赤肉メロンをドーンと上に。なまめかしい生ハムの海原にたゆたう2艘の小舟といった趣だ(ひとり分です)。その後、写真を撮り忘れたクラテッロとういきょういりのサラミも食べ、シャルキュトリーと栗パンを満喫。

コンビーフ。粗挽きといっていいのか、ホロホロがおおぶり。隙間のおいしさにも注目してみて。

 前菜ではさらにコンビーフも! それはもうていねいにほぐした身を重ね、パテのようになっている。添えられているのは紅芯大根&サーモンだ。コンビーフって、ビーフ部分より間の透明のところが好き♪ と、貧乏くさい気がしてこっそり思っていたけれど、このコンビーフはとりわけその部分が美味なり。

 さらに、アフミカータ(っていうんだって!)なる燻製ブラータでなんとなくほっとし、どうやら前菜終了である。もう書いているだけでお腹いっぱいな感じだが、実際、後半戦を食べきることができるのか!?

2016.03.11(金)
文・撮影=北條芽以