大前粟生「男性社会の地獄を男性側からどうできるか」


左、大前粟生。右、吉田恵里香。

 大前粟生の最新小説『物語じゃないただの傷』(河出書房新社/3月21日刊)の刊行を記念して、脚本家・吉田恵里香とのオンライントークショーが、6月7日に開催される。開催に先駆けて、登壇者の二人からコメントが到着した。

 『物語じゃないただの傷』は、自らの”傷”を利用する二人の男の歪な同居生活を描く小説だ。“男のくせにフェミニストやポリコレにおもねった”発信で人気を博す後藤。ある日、片脚の悪い男・白瀬が、後藤のとある秘密を盾に「家に住ませろ」と脅迫してきて……。

 映画化もされた『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』でジェンダー差別に傷つく男性の姿を繊細に描き、話題を呼んだ作家・大前粟生。今作では、「差別への抵抗・告発すらも消費される社会」の闇へも踏み込んでいる。


大前粟生『物語じゃないただの傷』(河出書房新社)

 今回のトークショーについて、NHK連続テレビ小説『虎に翼』やアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の脚本家として知られる吉田恵里香は「久しぶりに大前さんとお会いできることを楽しみにしています。物事の捉え方や社会の見え方が、大前さんと正反対なのか意外と近いのか……自分でもはかりかねているので色々お話できたらいいなと思っています! 私自身は大前さんを同志だと思っております!」とコメント。

 大前粟生は「『虎に翼』は今も昔も存在するあらゆる問題を相手に、その場限りで丸く収めるのではなく、地獄をまずはみんなで見つめるための対等な話し合いを登場人物たちに行わせ、ひとり残らずみんながWin-Winになれるあり方を探していく。私は私で、男性社会の地獄を男性側からどうできるか、そのために男性が語ることができてこなかった弱音や葛藤をどうこれから語っていけるか、といったことを『物語じゃないただの傷』に書いたつもりですし、これからも書いていくのだと思います。地獄をどう見つめてどう変わっていけるのか、当日は吉田さんとお話させていただけるのが本当に楽しみです!」と期待を寄せている。

 トークテーマは「ジェンダーや差別について物語で描くこと」、「若さを武器にした作品を作れなくなる不安について」など、多岐にわたる内容が予定されている。今の時代を生きる、今の二人だからこそ語れるトークに注目だ。

 オンライントークショーの配信チケットは、blueprint book storeにて発売中。小説『物語じゃないただの傷』と配信チケットのセットは2,500円(税込)、配信チケットのみは1,000円(税込)で、売り切れ次第、販売終了となる。

刊行記念イベント詳細

大前粟生×吉田恵里香 『物語じゃないただの傷』刊行記念トークイベント

出演者:大前粟生、吉田恵里香

日時:2025年6月7日(土)13時~14時30分

配信期間:2025年6月7日(土)~6月21日(土)

小説『物語じゃないただの傷』単行本付き配信チケット価格:2,500円

配信チケット価格:1,000円

主催:リアルサウンド ブック編集部

協力:河出書房新社

参加対象者:下記webサイト『blueprint book store』にて、配信チケットを購入した方

『物語じゃないただの傷』+配信チケット

https://blueprintbookstore.com/items/6805e6983e22b30a483bfa38

配信チケット

https://blueprintbookstore.com/items/6805e812577d502ffc5f7f47

書籍情報

書名:物語じゃないただの傷

著者:大前粟生

仕様:46判上製/144ページ

装丁:川名潤

発売日:2025年3月21日

税込定価:1,892円(本体1,720円)

ISBN:978-4-309-03950-3

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