2025年1月31日【湯梨浜町立泊小学校】
鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会(委員長:鳥取県漁業協同組合 代表理事専務 大磯一清)では、海で起きている様々な問題を学ぶことで、一人ひとりに何ができるか考え、より多くの人に行動をおこしてもらえるよう海の魅力や問題を伝えることを目的として、令和4年度より湯梨浜町立泊小学校の児童を対象に「ウニに触れ、ウニを学び、海について考える」授業プログラムを行っています。
このたび、同校で、漁業者が県内野菜等で蓄養したウニを使った「ウニグラタン」と、藻場の恵みである海藻のアカモクを用いた「アカモクスープ」が提供されました。
給食の途中、昨年の5月にウニの学習や9月の地元の波打ち際で藻場に育まれる生き物の多様性や生き様を体験した3年生が学習した内容や自分たちで調べた内容、考えたことを発表し、全校児童に、地元の海の状況や海の大切さ、身近な海を守るために自分たちにできることは何か、広く考えていただく機会となりました。
この取り組みは、現在、鳥取県沿岸全域で問題となっているムラサキウニによる食害を主な要因とする藻場衰退を切り口に、海の問題について学び、体験し、考えていくもので、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環として行っています。
公式サイト http://tottori-bluecarbon.jp/
イベント概要
・開催概要:鳥取の海を食べて学ぶ(漁業者が県内野菜等で蓄養したウニを使った給食を提供)
・日程: 2025年1月31日(金)
・開催場所:鳥取県東伯郡湯梨浜町 湯梨浜町立泊小学校
・参加人数:全校児童123名及び教職員
・協力団体:湯梨浜町立泊小学校
楽しみにしていた、地元のおいしいもの盛りだくさんの「ウニ給食」!
今、鳥取の海ではムラサキウニが大量に発生し、海藻を食べ尽くすという問題が起きています。海藻が生い茂る場所「藻場(もば)」は魚のすみかであり、二酸化炭素の吸収源でもある、海にとって大切な存在です。地元の海に大量発生したムラサキウニのことを知ることで、藻場の重要性や身近な海、漁業に関心を持ってもらい、自分たちにできることを考えてもらおうと、令和4年度より同校の児童を対象に「ウニに触れ、ウニを学び、海について考える」授業プログラムを開始しました。
今年度は3年生が5月に生きたムラサキウニとのふれあい学習、9月に地元の小浜港の波打ち際で、周辺の海中に生息するウニを含む生き物を採集して、即席のアクアリウムで観察しながら、藻場に育まれる生き物を体感しました。このたび、全校児童を対象とした給食で、「ウニ給食」を提供いただけることとなりました。
「ウニ給食」の献立は、「ウニ」に合わせて、ぜひ地元のおいしい食材をたくさん使ったものにしたいと、鳥取で愛されているお米「星空舞」のご飯やあかなしの「梨」サラダ、藻場の恵みであるアカモクスープなど、栄養士の先生が児童の食材を美味しさが十分伝わるように趣向を凝らした内容です。
メインの「ウニ」は、グラタンと一緒に焼き上げ、子供たちにおいしく食べてもらうにはどうしたらよいか、ウニの風味を生かすにはどうしたらよいか試作を重ねてくださったメニューです。
ランチルームのホワイトボードには、給食委員会の児童がこの日の献立表に「ほしぞらまいごはん」、「うみのウニグラタン」、「とっとりのめぐみ!あかなしサラダ」、「もばのめぐみ!あかもくスープ」などののお知らせを掲示し、子供たちからは朝から「今日のウニ給食楽しみ!」との声がたくさん聞かれたそうです。同校の給食は、全校児童がランチルームで一緒に食べます。子供たちの反応がとても楽しみです。
ウニグラタン、アカモクスープと、「ウニともばのひみつ」3年生の発表!
「今日はウニだね!」「楽しみ!」との声が口々に聞こえる中、児童がランチルームに集まってきました。手際よく給食の配膳が行われ、準備のできた学年ごとに「いただきますをしましょう!」の掛け声でいただきますをすると、「おいしい!」、「すごい!」などの声が聞こえてきます。「ウニグラタン」は、余すことなく、仲良くじゃんけんで食べる児童を決めることが出来ました。
給食委員会の児童により「ウニ給食」について説明がなされたのち、3年生児童が「ウニともばについて」の発表をしました。「ウニってどんないきもの?」、「もばってなに?」、「ウニともばの関係」、「ウニが海藻をたくさん食べて、藻場が少なくなっていること」など、分かりやすく説明。ウニ授業プログラムを支援してきた鳥取ブルーカーボンプロジェクト実行委員会の古田晋平事務局長がウニ授業で伝えた内容をしっかりと受け止め、作り上げた発表に嬉しさでいっぱいです。
最後に、ウニ授業プログラムで学習した3年生と一緒に、記念写真。これからもウニと海のことについて、たくさんの人に伝えていってもらいたいと思います。
子供たちの声
子供たちからは、「ウニって、にがい感じ、おいしい!」、「風味があっておいしい!」、「ウニグラタンおいしい!」、「ウニの味があとから口の中に広がってくる!」、「あまくてご飯とよくあう!」とみんな笑顔で完食です!ウニともばについて発表した3年生の児童は「魚とウニとわたしたちが仲良くできる海になって欲しいです」と話していました。
また、古田晋平事務局長からは「ウニと藻場の恵みを感じられる給食でよかった。ウニも魚も貝も生きていける海になってほしい」とたくさんの子供たちが海の生き物や藻場の恵みに関心をもってくれたことに喜びの声が聞かれました。
<団体概要>
団体名称:鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会
(公益財団法人 鳥取県栽培漁業協会)
URL:http://tottori-bluecarbon.jp/
活動内容:鳥取県漁業協同組合、鳥取県、農林中央金庫らが官民一体となり、藻場の衰退の要因となっているムラサキウニの商品化をモデルケースとした海の豊かさの啓発等により、地域と共に鳥取の豊かな海を取り戻すことを目的に活動。
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。