Vol.005 Girls & Boys|ブラー

大人になった今だからこそ楽しめるジュヴナイル

人生の色んなこと――松屋の牛めしに生玉子と半熟玉子のどっちを付けるかなど――に迷ったらCREA2月号を読もう!

 こんにちは。星の王子さまことヤングです。

 現在発売中のCREA2月号の特集は「大人の少年少女文学」。

 そのタイトルの通り、大人になってからも楽しめる少年少女文学の錚々たる名作が多数紹介されている。そのラインナップをつらつら眺めてみたが……俺の通っていた村の分校の図書室には置かれていなかった本ばかりだ!

 正直、全然読んだことがないので、内容も皆目見当がつかない。

 ということで、この特集の骨子となる企画「少年少女文学好き500人が選んだ好きな作品ベスト50」にランクインした作品から適当に見つくろって、俺が勝手に書名からお話を想像していくことにするよ!

◆第13位
『長くつ下のピッピ』アストリッド・リンドグレーン

長い長いと想像してはいたが、まさかこんなに長かったとは!(画像はイメージ。作家たちが芝居に興じた1963年の文士劇『仮名手本忠臣蔵』の一場面より)

 ルーズソックスをズルズルと引きずりながら江戸城松の廊下をダラダラ歩いていた浅野内匠頭の姿を目にした風紀委員の吉良上野介が、ホイッスルを鳴らして注意。「ピッピー! 浅野さん、殿中でござる!」。逆ギレした浅野はいきなり吉良にバタフライナイフで斬りかかった。長くつ下のあいつを取り押さえろという周囲の叫びと、助けを求める吉良の笛の音が、交互して松の廊下に鳴り響く。

 「長くつ下!」「ピッピー!」「長くつ下!」「ピッピー!」

 すんでのところで取り押さえられた浅野は、切腹を命じられる。その後、いろいろあってその臣下の47人は吉良を討ち取り復讐を果たしたとさ。おしまい。

2016.01.31(日)
文・撮影=ヤング
写真=文藝春秋