しっかり食べて飲めてロコに大人気！
ハワイで流行中の「ガストロパブ」とは？

「Chez Kenzo Bar & Grill」の和風パスタが絶品な理由

 いつも冗談ばかり言って場を盛り上げてくれるケンさんですが、「お金がないんだから自分で描くしかないだろう～」と、お店に飾ってあるアートも全て自らの手によるものでありまして、その器用さには頭が下がる一方であります。

お店に飾ってあるアートも全てケンさん作。

 お店のメニュー構成は、「冷奴」「焼き枝豆」等の居酒屋メニューから、ハワイらしい「オリジナルポケ」「ガーリックシュリンプ」やら、「和風ハンバーグ」「メンチカツ」等のがっつり洋食やら、はたまた「冷やし中華」「カレーうどん」「豚の角煮ラーメン」までなんでもござれの、ハワイではあまり見かけない和洋風全てを網羅したフルラインナップなんですが、何と言ってもこの店の名物はパスタ。それも和風パスタが特にオススメなんであります!!

 なぜかというと、ケンさんと二人三脚で共同オーナーをしているシェフのKenzoさんの奥様の実家が、なんと「たらこスパゲティ」や「納豆スパゲティ」を日本で初めて出したあの有名な「壁の穴」でありまして、ここではそのレシピを元にアレンジしたオリジナルパスタを出しているので、日本の行列ができるパスタ屋さんと同じ、いやそれ以上のものが出てくるっていうわけなんであります。

僕の大大好物、「明太子マヨネーズ」と「ミートソース」。

 「塩辛」や「梅」、そしてもちろん「納豆」等の和風パスタをはじめ、常時20種類以上のパスタメニューがある中、僕の大大好物で、行くとほぼ100％オーダーしてしまうのは、間違い無しの濃厚「明太子マヨネーズ」と、お肉がゴロゴロ贅沢に入った昔懐かし「ミートソース」!! このふたつは文句なしの鉄板でありますが、たまにちょこちょこ浮気してしまう「ウニ」と「ナポリタン」もメチャウマ。ハワイに来ると、白ワイン片手に「夜中のメンラー」とはひと味異なる「夜中のターパス」が楽しみで楽しみで、日々着々と膨張し続ける胴回りを日焼けでごまかしながら過ごすのが日課となっております(涙)。

ハワイのマドンナ、ステファニー(左)。ケンさんと（右）。

 そしてもうひとつのこの店での楽しみは……「Chez Kenzo」の看板娘でもあり、長年僕のHawaiiのマドンナでもある「ステファニー」の笑顔に出会えること。う～ん、癒されますなぁ……。

 ただし、もう知り合って何年にもなり 、いつも速くて聞き取れないほどの流暢な英語で喋りかけてくるので、日本語はまったく喋れないのかと思ってついつい目の前で「野郎同士」ヤバい話をバンバンしておりましたが、なんとつい最近ベラベラであるということが判明したもんだから、恥ずかしいのなんのって、穴があったら入りたい気持ちでいっぱいであります(苦笑)。

 そんな感じの“ジャパニーズガストロパブ”の決定版とも言えるケンさんのお店……まず確実に観光客はおりませんので 「安心してください」(もう古いのか？)。

 親切で頼もしいケンさんを訪ねつつ、超ローカルな空間の中で、親しみ慣れたお酒＆つまみと共に本物の「暮らすハワイ」を経験してみるのもたまにはいいんじゃないでしょうか？

 僕も「また、あの黒いのいるよ」っつうぐらい、笑っちゃうほどの確率で来店しておりますので、見かけたら是非お声をかけてみてくださいね～。

小川カズ(おがわ かず)
ファッションディレクター＆フォトグラファー。東京、青山生まれ。80年代半ばから当時まだ数少ないスタイリストとして活動を開始し、堺正章、石田純一、片岡鶴太郎、武田修宏などを担当する。99年からはフォトグラファーとしても活躍。ハワイと東京に拠点を構えて活動する。

2016.01.29(金)
文・撮影＝小川カズ