Magnificent View #808
ヘルシンキ大聖堂(フィンランド)

(C) R. Ian Lloyd / Masterfile / amanaimages

 フィンランドの首都ヘルシンキ。高台から街を見守るようにして立つこの大聖堂は、同国の国教、福音ルター派の総本山だ。白亜の壁に鮮やかな緑色のドームが空に映えるネオクラシック様式の建物は、街のシンボルでもある。

 建物は、もともとここにあった小さな教会に代わるものとして、30年以上の歳月をかけて建築された。完成は1852年。当時、フィンランドはロシアの支配下にあったため、時の皇帝からニコライ教会と名付けられた。現在の名称になったのは、1917年の独立後のこと。

 屋根を飾るのは、真鍮の像としては世界最大級を誇る十二使徒の像。自然光がふんだんに入る堂内は、外観に反してかなり質素だが、それがいっそう、荘厳な雰囲気を醸し出している。

 大聖堂の前に広がる石畳の元老院広場は、市民の憩いの場。12月中旬にはクリスマスマーケットも開かれ、多くの人で賑わう。

Column

今日の絶景

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2015.12.17(木)
文=芹澤和美