走り出したら一直線! ハスキー犬サファリ

雪原で嬉しそうにはしゃぐハスキー犬。(C)Visit Finland-Riku Pihlanto

 ラップランドの冬は酷寒ながらも、実はオンシーズン! トラベラーのお目当ては、夜空に繰り広げられるオーロラの壮大な天体ショーだ。では日中は何をして過ごす? ラップランドでは極寒リゾートならではのスノーアクティビティが多彩に揃っている。たとえば、ハスキー犬やトナカイといった雪と仲良しの動物たちと触れ合いながら、太陽が昇らない青い世界を満喫するのは、いかが?

二人ひと組でタッグを組み、ソリに乗り込む。操縦は交代で。(C)かくたみほ

 自らソリを操り、雪原を走るハスキー犬サファリ。今回お世話になったネッリム・ハスキー社のマッティさんに、まずはソリの操縦方法を習う。足元のペダルに体重をかけるブレーキの方法などを覚え、注意点を頭に叩き込む。「2人ひと組で交代に操縦を。それから犬たちはエキサイトしてるから、最初は全体重でブレーキをかけてね」。準備は万端、いざ、犬たちの待つ牧場へ!

ゲストが牧場に到着すると、置いてきぼりにされたくないハスキー犬が大騒ぎ!

 そこには、ハスキー犬51頭が殺気立ったように吠えまくり、耳を聾するばかり。どうやら走るのが本能の彼らは「置いてかないでー! 走らせてー!」と、いてもたってもいられない様子。

 スタートを切ると、犬たちはいきなりトップスピードで弾丸ダッシュ。お尻の毛がゆさゆさ揺れて、ぴょんぴょん飛ぶように駆けるたびに覗く後ろ足の肉球がかわいらしい。音のない銀世界の中に響くのは、犬たちの激しい息づかいと時折の鳴き声、雪原を行くソリの滑る音とブレーキが氷を削る音くらい。

水分を含んだ呼気がボディの毛並みに氷となって凍着。操縦ハンドルを握る手もしびれてくる。(C)かくたみほ
ネッリム・ハスキー社のマッティさん。51頭のハスキー犬、すべてに名前があり、リズムや相性でチーム分けをしているそう。

 犬たちを制御するのに慣れていくと徐々に周囲の風景を見る余裕も。凍った湖上は見渡すかぎり雪・雪・雪。湖畔らしき場所には、ツンツンと尖ったヨーロッパアカマツの木々が密生している。湖上に点在している島はいくつもの小さな丘となり、湖面は遥か先の対岸まで広大な雪原に。

 約2時間のソリ体験の後は、ハスキー犬たちも落ち着きを取り戻し、サファリ前と打って変わって甘える姿も(犬との記念撮影はこのタイミングで!)。ちなみに、夏はハスキー犬にとって暑くてサファリはお休み。冬だけのお楽しみだ。

Nellim Husky(ネッリム・ハスキー)

【問い合わせ先】
Nellim Wilderness Hotel(ネッリム・ウィルダネス・ホテル)

所在地 Nellimintie 4230, 99860 Nellim
電話番号 +358-400-415-989
URL http://www.nellim.fi/activity-items/husky-safaris/

2015.05.18(月)
文・撮影=古関千恵子