見渡す限りすべてが雪に包まれた静謐な世界

変幻自在に形を変えるオーロラ。ローマ神話に登場する女神、オーロラは一日の始まりを告げる役割を担う。新しい自分が始まる予感。(C)Visit Finland-Thomnas Kast

 ラップランドは北緯66度33分以北の北極圏で、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、ロシアの4カ国にまたがる広大なエリアを指す。欧州唯一にして最古の先住民族“サーミ”が暮らす地域だ。

光の柱のようなサンピラーと、太陽を囲む虹のようなハロー現象が同時に起きた、珍しい気象現象。

 日本からラップランドへは、まずは玄関口であるフィンランドのヘルシンキへ。東京・大阪・名古屋からヘルシンキへ直行便があり、所要時間は約9時間30分。ヘルシンキから国内線でラップランドの各空港(ロヴァニエミ、イヴァロ、キッティラ、クーサモ)へ向かう。今回はオーロラを狙い、最北のイヴァロ空港を目指した。

厳しい自然環境の中、ともに生き抜いてきたサーミとトナカイは特別な関係。

 冬には森も、湖も、すべてが雪に包まれるラップランド。1平方キロあたりの人口密度はたったの2人。見渡す限り、雪・雪・雪だ。気温はマイナス20度、時にマイナス30度も軽く超える。そして冬至前後から1月中旬までは太陽が昇らない、極夜(カーモス)が続く。

2015.04.27(月)
文・撮影=古関千恵子