プチ・シェフへの謁見にまつわるしきたりとは?

 来島のご挨拶にも、いろいろとしきたりがあります。

グラン・シェフのカーズ。来客は左の入口から入るルールがあります。(C) Stephane Ducandes / NCTPS

 謁見の場はカーズという、釘を一本も使わずに建てられた伝統的な円形の家屋。来島者用の入口から中に入ると、中央に大黒柱と囲炉裏、床にはパンダナスの葉で編んだゴザが敷かれています。

 この大黒柱はグラン・シェフ、それを支える数本の支柱がプチ・シェフ、壁の骨組みは家族を表しているのだそう。そして囲炉裏からのぼる煙で室内をいぶすことで、建物の耐久性を上げているとか。建材は茅やヤシなどまちまちながら、この構造は共通しているそうです。

緑の丘からラグーンを見守るノートルダム・ド・ルルドのチャペル。フランス南西部の教会から名前をもらった絶景チャペル。

 まず自己紹介をして、捧げ物を献上します。そしてシェフから歓迎の言葉をいただきます。私がお会いした方は戦士の一族だったのですが、とても友好的で「世界を知らなくてはならない」と挨拶。そのためには観光に対し、前向きでいなければならない、と。

感涙モノの白砂が広がるロンガニビーチ。やわらかさ、キメの細かさ、どれも上質!

 そうした儀式からスタートしたリフー島。ニューカレドニアには数多くの絶景ビーチがありますが、白砂の美しさに感動したのが、南東にあるロンガニビーチ。

 ここの白砂の細やかさといったら、まるでケーキの上に振りかけられた粉糖、プードルデコールのよう。やわらかくて、あたたかくて、裸足で歩いているだけで幸福な気分になります。遠浅の海の色もジュエルのよう。人もあまり見かけず、この世のものとは思えない美しさです。

2015.07.04(土)
文・撮影=古関千恵子