アマゾンの水辺で暮らす人々と接近遭遇

アマゾン川に面したリスポア村。204家族が暮らしているという。

 事前に配られた資料の中に持ち物リストがあり、「地元の人々にプレゼントするボールペン、紙、Tシャツなど」と付け加えられてあった。ほとんどのゲストはボールペンや鉛筆などの筆記用具を持ってきていた。私が持参したのもボールペンだ。午後のエクスカーションで、近くの村に行く際、それらを持参することに。

この家には2家族が一緒に暮らしている。オレンジのTシャツを着ているのが母親のオフェーリアさん。朝夕の2食で暮らしているという。

 村では、ボートと同じ少人数のグループごとに分かれて、民家にお邪魔して中を見せてもらったり、村の中を歩いたり。ネイチャーガイドのジョージは、写真の紙焼きをたくさん持っていた。クルーズのゲストが送ってくれたのだという。それぞれの写真を、写っている本人たちに配って歩く。「皆さんも、ぜひここで撮った写真を送ってくださいね」と。単なる片道の観光で終わらない、素晴らしいエクスカーションだ。

子供たちに筆記用具を配るネイチャーガイドのジョージ。彼もこの村に住んでいる。

 最後に学校の建物に行くと、そこには村の子供たちが大集合していた。ゲストと子供たちひとりひとりの名前を紹介した後、子供たちが歌を歌ってくれた。そして、ゲストから筆記用具を集め、ジョージが子供たちに配り始めた。4列に並んだ子供たちに1本ずつ配り、列の後ろまで行くと、また先頭に戻った。3周ほどして配り終わった。

 最後に、今日が誕生日という男の子が紹介されると、ブラジルからのゲストから、「それならこれをあげよう!」とビニール製のスポーツバッグのサプライズプレゼントが。子供たちの笑顔が心に残ったエクスカーションだった。

小さな支流を抜けるときに民家があった。床が高くなっているのは、雨季の水位に合わせて造られているから。

 最終日には、ボートでイキトスの水上集落も見に行った。かなりの規模で、ボートの通り道が、陸上の道のように縦横に貫いている。商店があったり、食堂があったり、街の機能は全て持っているという様相。これにはびっくり。アマゾンというと、文明から遠く離れたプリミティブな姿の人々を思い浮かべるかもしれないけれど、多くの人々が、自然の恵みの中で暮らしていることを、改めて知ることができたのだった。

イキトスの街は、陸だけでなく水上に広がっている。

2015.06.12(金)
文・撮影=たかせ藍沙