華やかなリゾートながら野性の海の息吹を感じる

荒野の先に開ける夢のようなリゾート空間。すべてが活気に溢れて見えます。(C) 南バハ・カリフォルニア州政府観光局

 そして、ようやくたどり着いた街カボ・サン・ルーカス。その光景が砂漠の先のオアシスのように光輝いて見えたこと! アースカラーの街に、陽気に行き交う人々やカラフルな看板、すべてが色鮮やか。アップテンポな音楽も聞こえてきて、テンションも一気にアップ。

岩礁でくつろぐアシカたち。街のすぐ近くで野生動物たちがのどかに暮らしています。(C) CPTM: Photo / Ricardo Espinosa-reo

 港近くはペリカンがよたよた歩いていたり、トローリングから戻ってきた船から釣りあげたカジキをフックに引っかけて記念撮影をしていたり、沖を見れば岩礁でお昼寝するアシカの姿も。華やかなリゾートシーンの中にも、野性の海の息吹を感じます。

小さな町ながら、ショッピングモールやレストラン、バー、みやげ物店が揃い、華やいだ雰囲気。(C) 南バハ・カリフォルニア州政府観光局

 突端は東側のコルテス海と西側の太平洋が出会う地点。ランズ・エンド(エル・アルコ・デ・カボ・サン・ルーカス)と呼ばれ、長い長い半島の終着点、つまり地の果て。アーチ型の岩とビーチ、濃いブルーの海が、美しく調和しています。その少し手前にあるラバーズビーチは荒々しい岩に囲まれ、ボートでしかアプローチできない場所です。

岬の先端ランズ・エンドの近くにあるラバーズビーチ。こちらへ行くにはボートを利用して。(C) Consejo de Promoción Turística de México

 コルテス海側にあり、光をたたえた穏やかな海が広がるラバーズビーチ。実はこのビーチの裏側には荒々しい波が立つ太平洋の外洋に面した、その名もデボース(離婚)ビーチがあります。恋人と離婚が背中合わせになっているとは!?

 先日、テレビを見ていたら北野武さんがラバーズビーチでグランドピアノを弾く、ポカリスエットのCMが。う~ん、美しい! ふと、カラカラに乾いたサボテン荒野の道行きの末に広がった、輝く海の感動が、胸によみがえってきました。(それにしても、あのピアノ、どうやって運んだのでしょうかね??)

カボ・サン・ルーカス
●アクセス 米国諸都市で乗り継ぐ。ロサンゼルスから空路約2時間
●おすすめステイ先 ワン&オンリー・パルミラ
URL http://palmilla.oneandonlyresorts.com/

古関千恵子 (こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/5世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/

 

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2015.01.03(土)
文=古関千恵子