大阪・堀江あたりは、江戸時代には材木屋が並んでおり、戦後は家具の街として知られてきました。近年は次々に雑貨屋、衣料品店、カフェやレストランができ、お洒落な街として人気を集めています。新しく建ったマンションに住む人々も増えて、大阪の都心で活気づいているエリアのひとつ。

ナチュラルな雰囲気の店内でいただける薬膳スイーツと漢方茶。

 そんな街の一角にある『花凛堂』は、漢方のお茶とスイーツが楽しめる漢方カフェ。入り口が奥まっていて、初めての方にはちょっと入りにくいかもしれません。でも、店内は、懐かしい小学校の木製の椅子が置かれ、シンプルで落ち着いたムード。ほのかに漢方薬独特の香りが漂っています。ひとりで訪れる女性も多く、ランチのお味噌汁とおにぎりのセットやお茶とスイーツを味わい、ゆったりと寛いでいます。漢方に興味がなくても、大人のカフェとして訪れてみたいお店です。

左:ここを入ると正面にカフェ、右側に漢方薬局の入口があります。
右:この看板が目印です。
左:ひとりで寛げるカウンター席も用意。
右:ジャズが流れて落ち着いた雰囲気の店内。
薬剤師で、世界中医薬学会連合会認定国際中医師の﨑山久美子さん。隣接する漢方薬局で漢方相談を行なっています。

 店主・﨑山久美子さんは、大阪出身。20代の頃、東京の製薬会社でバリバリ営業の仕事をしていましたが、出張や残業が多くて体調を崩しがち。たまたま青山の漢方薬局を見つけて漢方薬を飲むようになり、体調が改善したのだそう。

「大学で薬剤師の資格を取得していましたが、漢方薬もおもしろいと思ったんです」。独立して自分のペースで仕事をしたいと、漢方を学び、大阪で漢方薬局を2007年11月にスタート。1年程して移転し、カフェを併設したお店になりました。

「漢方薬局は馴染みがなく、どうしても敷居が高いイメージ。まず、身近なお茶やお菓子、食事から少しずつ体質改善や生活改善について考えてもらえたらと思って。私が、メニューや使用する漢方や食材を考えて、勉強熱心なスタッフと一緒に、おいしいスイーツやお料理に仕上げています」と﨑山さんはにっこり。自身もスタッフも毎日でも食べたくなるメニューなのだそう。

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2014.09.14(日)
文・撮影=そおだよおこ