LOVE:ブランチ
自分を好きになる日曜限定の素敵ブランチ

目黒|ビアード

ジューンテイラージャムプレート。隅々までバランス良く美味しい。

 世の中朝食ブーム。朝ごはんに力を入れるお店は増え、朝ごはんの本がとても売れていて、朝食タイムをおしゃれに過ごしてこそ立派な女子、という風潮。これはいいことだ。

 自宅の近くにも実は素敵なブランチを出す店がある。「ビアード」というとても美味しくて、おしゃれで、ひげの濃いお兄さん(ヒント:店名)がやっているビストロだ。なにしろ、今の家に引っ越してきた当初「ビアードで朝ごはん食べられるじゃない! いいなぁ、一緒に行こう!」と、周りに何度言われたことか(しかし、その方々との朝食はまったく実現していないという悲しさ)。

 というわけで、私の家の近くには日曜限定で食べられるブランチがあり、自宅からは目黒川沿いをてくてく歩いてちょっと近すぎるお散歩距離。聞けば聞くほど素敵な話だ。私にしては結構通っていて、主に地方から遊びに来た友人を誘う。「目黒川、ビストロ、ブランチ」という素敵ワードで友人を釣り、普通ならダラダラ過ごす日曜午前中の自分を釣る。

 まあ、いくら素敵でも美味しくなければ困っちゃう。お気に入りはまず「ジューンテイラージャムプレート」。ブリオッシュとカンパーニュをカリッと焼いたパンたちに、高級ジャムとして有名なジューン・テイラーさんが作った美味しいジャムを、というのがメイン。テーブルにビンごと置いていってくれるので惜しみなくつけられる。甘いものは甘く、酸っぱいものは酸っぱい、そんな果物の味を活かした素朴なジャムで、いろいろな果物をブレンドしたものもある。これも美味しいバターと一緒にたっぷりつけて食べるのが最高だ。

 ほかには生ハムとフルーツとゆで卵。ゆで卵といっても、少し半熟のゆで加減が見事な上に、塩がおいしいから、1個じゃ切ないほどだ。いつも大切に大切に少しずつ食べる。そして、どーんとしたロースハムやベーコンではなくて生ハムなのがよく、ときにはジャムと合わせてパンにのせたりすることも。フレッシュなフルーツをのせるのもいいですね。

<次のページ> 控えめプレートのあとには……

2014.05.16(金)
文・撮影=北條芽以