月と植物との深い関わりから生まれたハーブティーでホッと一息

お気に入りのティーセットで。ハーブティーに添えたのは、モロッコの砂漠から持ち帰り、マラケシュで干したナツメヤシです

 まだまだ寒い日が続きます。そんなときは一杯の温かいお茶で、ホッと一息つきたいですね。月の位相に合わせてブレンドされたハーブティーがあります。ヨーロッパ、特にチロル地方では古くから、月の満ち欠けが私たちの心と体に影響を及ぼすとの言い伝えがあり、月の位相に合わせたライフスタイルを提唱する人々がいます。

 たとえばハーブを摘むのは満月の夜。満月の夜には、植物全体がその栄養素を最高に蓄えると信じられていたからです。その昔、薬草に詳しい女性たちが、魔女と恐れられていたのは、夜中に植物を求めて森をさまよっていたからに他なりません。月の出ていない夜に比べて、満月の晩は明るくて、薬草を探すのに都合がよかったというのも一つの理由でしょう。

 満月に摘み取られた新鮮な植物は、その後、月が欠けていく間に乾かされて、ハーブティーの材料となりました。満月を過ぎて欠けていく月には、植物を乾燥させる力があるからです。このように植物という自然がもたらした宝物を、月のリズムにのっとって採集し、乾燥させ、保存するということを、当たり前のように行ってきた人々がいるというのは驚きに値します。

 そんな月と植物との深い関わりから、月の満ち欠けに合わせて飲むお茶が生まれたのは、ある意味、とても自然なことなのかもしれません。

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2014.02.01(土)