この記事の連載

家庭でも簡単に黒豆茶を

 いろいろと使いようがあるのが黒豆。血の巡りをよくし、利尿効果、補血作用があり、腎機能を高めてくれる食材です。普段、黒豆だけを食べることはあまりないかもしれませんが、最近、黒豆茶はスーパーなどでも見かけるようになりましたね。乾燥した黒豆をフライパンでしっかり炒れば、家庭でも簡単に黒豆茶が作れます。そして、お湯を注いで黒豆茶を飲んだ後は、お米と一緒に炊飯器に入れて炊くだけで、黒豆ごはんが完成です。豆のホクホクした甘さが美味しいごはんです。

 また、お正月に黒豆の煮物を作るとき、煮こぼして黒い汁を捨てるのはとてももったいないので、浮いた灰汁をとってから、この汁を黒豆茶としてぜひ召し上がってください。お正月準備をしながら、健康管理もできるなんて素敵じゃありません?

 黒米も以前よりずっとポピュラーになりましたね。黒米はもち米系で、もちもちした食感が美味しいお米です。白米や玄米よりもタンパク質や脂質が多く含まれている一方で、カロリーや糖質量は低く、ヘルシーでありながら栄養価が高いので、女性にはもってこいです。ポリフェノールが豊富で老化を防ぐ働きがあり、そのほか血の巡り、目の疲れやかすみにも効果があると考えられています。

「肝」と「眼」はつながっている

 以前、テレビで元横綱が、現役時代、ご飯は黒米しか食べなかったとおっしゃっていました。身体が資本の関取は体調を整え、身体を強くするために食べていたのでしょう。また、黒米は昔から「縁起のよい出世米」ともいわれていたそうで、その験を担いでいたのかもしれませんね。

 ブルーベリーなどのベリー系もそうです。アントシアニンが豊富で肝機能の向上によく、疲れ目などにも効果的です。東洋医学では肝と眼はつながっているといわれ、肝臓によいとされるものは目にもよい効能があることがほとんどです。

 黒い食べ物で老化知らず。あなたを守ってくれる黒い食材を常に側に置いてください。

谷口ももよ(たにぐち・ももよ)

「健康は日々の食卓から」と「美食同源」をテーマに、身近な食材を使った簡単で美味しい薬膳レシピを提案。なかでも豆腐や野菜を中心としたよりヘルシーな“ベジ薬膳”を提唱する。薬膳料理教室を主宰し、講師育成の薬膳講座を全国で展開。レストランへのレシピ提供や企業との商品開発など活動は多岐にわたる。著書も多数出版し、『身近な10の食材で始める薬膳ビューティーレシピ』(講談社)、『5色の野菜でからだを整えるべジ薬膳』(キラジェンヌ)で、グルマン世界料理本大賞グランプリを2度受賞。「東洋美食薬膳協会」代表理事、「全日本薬膳食医情報協会」名誉顧問、「日本豆腐マイスター協会」理事、薬膳料理教室「Salon de Maman」主宰。国際中医師。

●谷口ももよ公式サイト https://yakuzen-salon.com/
●東洋美食薬膳協会 https://orientalyakuzen.com/

次の話を読む【谷口ももよの“一日一薬膳”】 薬膳料理研究家が教える 身体と心を整えるナイトルーティーン

← この連載をはじめから読む