気球に乗って上空からサファリ見学

 ヨハネスブルグ郊外で行われている「バルーンサファリ」は、気軽に参加できる人気のサファリ・アクティビティーだ。朝日の中、気球に乗り、360度を見渡す上空から大自然を眺めるのも、一味違ったサファリの楽しみ方。場所によっては、野生動物の群れを見つけることもある。

自分たちが乗る気球の影を眼下に眺めながら浮遊するのは、なんとも不思議な感じ

 バルーンサファリを催行している数社のなかでも老舗の「ビルハロップス・オリジナル・バルーンサファリ」を体験してみた。基点となるのは、マハリス川沿いにあるクラブハウスだ。早朝、コーヒーと温かなマフィンやクッキーなど軽食を食べながら、熱気球の準備が完了するのを待つ。上昇する時はバーナーが頭上で炎を上げる轟音が響くが、気流にのってしまえば、ほぼ無音。風の音だけを聞きながら、眼下に山や谷、遠くに街並みを眺めながら、南アフリカの大地を体感する。

熱気球は18人乗り。まだ暗いうちから準備をはじめ、日の出とともに出発する

 天候にもよるが、通常、フライトは約1時間。どこに着地するかは、その日の天候次第で決まる。着地後は、用意された南アフリカ産のシャンパンでほかのゲストたちと乾杯。朝日を浴びながら大自然の中で飲む冷えたシャンパンは、このうえなく贅沢でおいしい。

着地後は、シャンパンで乾杯!

 熱気球の着地点からクラブハウスまでは車で移動するのだが、この帰り道にサプライズが隠されている。広大なブッシュには、当然のことながら、野生動物たちが暮らしているため、車の中から彼らを見つけられる可能性が高い。期せずして、ゲームドライブ気分を味わうことができた。

バルーンからの帰り道、野生のキリンに遭遇!

 クラブハウスに戻ると、イギリス風の朝食が用意されている。パイロットから搭乗証明書を授与されてツアーは終了。時間はまだ朝9時。この後、近くにあるスタークフォンテン洞窟を見学するのもいいし、ヨハネスブルグに帰って街を歩くのもいい。バルーンサファリを体験するのに、特別に道具は必要ない。都心から近く、気軽に参加でき、なおかつエキサイティングなサファリ体験なのだ。

空の旅を終えた後は、おいしい朝食が待っている

Bill Harrop's “Original” Balloon Safaris
電話番号 +27-11-705-3201
URL http://www.balloon.co.za/

芹澤和美 (せりざわ かずみ)
アジアやオセアニア、中米を中心に、ネイティブの暮らしやカルチャー、ホテルなどを取材。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビなどで発信中。漫画家の花津ハナヨ氏によるトラベルコミック『噂のマカオで女磨き!』(文藝春秋)では、花津氏とマカオを歩き、女性視点のマカオをコーディネイト。著書に『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)。
オフィシャルサイト http://www.serizawa.cn/

Column

新しい風が吹く南アフリカへ

ネルソン・マンデラ逝去によって注目を集めた南アフリカ共和国は、2014年、記念すべき民主化20周年を迎える。日本でこそあまり知られていないが、実はこの国には、素敵なラグジュアリーリゾートや多彩なグルメが満載なのだ。どんどん進化を続ける南アの魅力を掘り下げる。

2014.01.02(木)