名作ミュージカル『マイ・フェア・レディ』に、フレディ役で出演する平方元基(ひらかた げんき)、27歳。バラエティ番組「戦国鍋TV」で注目を浴びた彼が、ミュージカルの道に足を踏み入れた理由などを、独自のユーモアを交えて語ってくれた。

演技経験のないまま、3作連続でドラマ出演

――平方さんが芸能界に入るきっかけは、何だったのでしょうか?

 福岡の地元で芸能事務所の方にスカウトされたんです。その頃はカラオケで流行っている曲を全部歌えるほど、歌を歌うのが好きでした。それで21歳のときに福岡から上京してきたのですが、あまりに芸能界のことを何も知らないから、“大手の事務所にスカウトされたから、1週間でスターになれる”と勘違いしていたんですよ(笑)。だから、住む家も決めないで上京しました。

――とはいえ、2008年放送の「スクラップ・ティーチャー~教師再生~」の理科教師役でいきなりドラマデビューされました。そのときの心境はどうだったんでしょうか?

 初仕事が決まっても、右も左も分からないわけですよ。“カメリハ”も“ドライ”も、あまりに何も知らないヤツが入ってきて、共演者の方は驚かれたと思います。その後も「神の雫」「魔女裁判」と、9カ月連続でドラマをやらせていただいたこともあって、現場ですべてを学んでいきました。

――でも、平方さん自身がやりたかったのは歌であって、特に演技には興味がなかったんですよね?

 演技をしたことなかったですから。でも、話が違うと思っても、悩んでもしょうがない。本当に藁にもすがる思いだったんですけど、迷いながらもやるしかなかった。「スタート」と言われたら、ヘタクソでもやらないと。僕のシーンで時間が押したら、それこそ大変ですからね。あの頃は常に焦っていましたね。

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2013.05.03(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Tadashi Hosoda