衝撃的デビューを飾ったミュージカル「テニスの王子様」から5年半。25歳になり、「私のダーリン」で黒木瞳と共演するなど、今ミュージカル界で大きな注目を浴びる古川雄大(ふるかわゆうた)が、舞台の魅力を語ってくれた。

バックダンサーに憧れ、ジャズダンス教室へ

――古川さんはもともとダンサー志望で、地元・長野のダンススクールに通われていたんですよね?

 高校時代、音楽番組などに出ているバックダンサーの方に憧れていたんです。それでヒップホップを習いたくて、電話帳で調べてスクールに見学に行ったんですが、カッコいい振りをやっていたので通い始めたら、ジャズダンスのスクールだったんです(笑)。まったくダンスの知識がなかったので、最初は「何かおかしいな」程度にしか思っていなかったんですが、今考えると、そこでずっとやってよかったと思いますね。ヒップホップとは見せ方も違うし、方向性も全然違う。でも、ジャズダンスを習っていたからこそ、舞台やミュージカルの世界が見えてきたと思うんです。あのときヒップホップを習っていたら、趣味の域で終わっていたかもしれませんね。

――その後、2007年にミュージカル「テニスの王子様」(以下、テニミュ)のオーディションに合格し、不二周助役を演じるわけですが、その前にはテーマパークでもダンサーとして活躍されていたんですよね?

 ダンスの先生の勧めで、ほかのオーディションを受けに行ったときに、テーマパークの5周年をプロモーションしながら全国を回る、ツアーダンサーのオーディションを受けることになって、合格したんです。ツアーダンサーとして全国を回った後、今度は1年間、テーマパーク・ダンサーとしても働きました。同じ頃、ダンス教室の先生や先輩から刺激を受けることで、芸能界に興味を持ち始め、19歳のときに「テニミュ」のオーディションを受けることになったんです。

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2013.03.26(火)
text:Hibiki Kurei