世界中を旅してきた、たかせ藍沙さんが、今回はアーモンドを取材するためにカルフォルニアに行ってきました。産地ならではのアーモンド体験を2回にわたってレポートします。

» 第1回 世界一の生産量を誇るアーモンドの聖地へ


アーモンド農園で
衝撃の収穫体験!

 翌日、早めに朝食を済ませてバスに乗り、向かったのは「キャンポス・ブラザーズ社」が経営するアーモンド農園。

 前日のセミナーで農園の写真は見ていたものの、百聞は一見にしかずというものだ。ホテルを出て暫くすると、道の両側にアーモンドの木が増えてきた。

 車が「キャンポス・ブラザーズ社」の敷地に近づくと、最初に見えて来たのは高さ50センチほどの苗木畑だった。

 アーモンドの苗は、すべて接ぎ木されている。桃など、根を大きく張って安定し、害虫にも強い台木にアーモンドの枝を接ぎ木して2年、畑に植え付けて3年経ってやっと収穫できるのだ。その後、約25年間収穫し続けることができるという。

 家族経営が多いことの理由のひとつは、アーモンドのライフサイクルの長さ。何十年も先のことを考えて親が植え付けたアーモンド農園を、子や孫が受け継いできたのだ。

 アーモンドの実は、熟すと色がグリーンから茶色へと変わり、果皮が割れて中の核が見えるようになる。すると、軽く触っただけでポロリと枝から落ちる。

 収穫には「シェイカー」と呼ばれる重機を使う。大きなペンチのようなアームで幹を挟んで、「ガガガガーッ」とシェイクする(揺する)こと3秒ほど。

 粉塵とともに約1万3,000個(約15キロ)ものアーモンドが一気に地面に落ちるのだ。なんて豪快な収穫方法だこと!

 雨のように降ってくるアーモンドの実と粉塵に、あわてて逃げ出す取材陣(笑)。

 最後に、重機に乗り込んでシェイクボタンを押させてもらった。小さなボタンを押すだけで上からアーモンドが降ってくることに感動!

 「シェイカー」は、ズラリと並んだアーモンドの木を次々とシェイクしていく。小さな農家は、大きな農家からシェイカーをレンタルして収穫するのだという。

 地面に落ちたアーモンドの実はそのまま2週間ほど乾燥させて、掃除機のような重機で集める。これも豪快だ。

 続いて工場を見せてもらった。ほとんどの部分は機械化されている。殻をローラーで外して食用となる仁を取り出し、欠けたものや変色したものはレーザーで瞬時に選別。磁石で金属混入もチェックし、最後は人の目で検品と徹底している。

 最後に72度の低温で7~11時間殺菌してから出荷だ。検品の工程で除外されたB級品も、アーモンドクランチなどにして、すべて無駄なくアーモンド製品になる。

2019.10.24(木)
文・撮影=たかせ藍沙
取材協力・写真提供=カリフォルニア・アーモンド協会