vol.07 RHYTHM & BETTERPRESS
2019年3月にはMotion Blue YOKOHAMAで、ちょっと大人なムードを感じさせる充実のワンマン・ライヴを成功させたばかりの、フィメール・シンガー脇田もなり。
お酒が大好き! だけど酒場ビギナーな彼女が東京近郊の名店を探訪しながら、立派な酒呑みレディへの階段を昇っていく連載「名酒場 IN THE CITY」。
第7回は、江東区森下にある一風変わった立ち飲み酒場へ。
今回、もなりさんが訪れたのは、森下の「RHYTHM & BETTERPRESS」。
隅田川に架かる新大橋にもほど近い、住宅街の真ん中に佇むこのお店。なんと日中は活版印刷の工場として稼働しているのが、日が暮れると立ち飲みにメタモルフォーゼするという、かなり珍しい営業形態の酒場なんです。
もともと印刷工場で働いていた店主の宍戸さんが、一緒に働いていた友人と独立して、2018年2月にオープン。3カ月前からは、宍戸祐樹さんが一人で工場と酒場を切り盛りしています。
「ここ、本当に印刷工場なんですか? レコードから素敵な音楽が流れてるし、お店の雰囲気もなんだかオシャレなカフェみたい……あっ、あの大きな機械が、活版印刷の印刷機なんですね! 初めて見た。ところで、活版印刷ってなんですか?」
えー、簡単に説明すると、 ハンコやスタンプと同じような原理で、凸状の鉛版に垂直の圧力をかけて印刷する、古くからの印刷技術。
ここでは主に名刺やハガキ、フライヤー、コースターなどの印刷を手がけているそうなんですが、ちょうど7インチのアナログレコードを入れるスリーブが刷り上がってますね。触ってみると表面が凸凹してません?
「本当だ! 少し凸凹してて触感も面白い。デザインもいろんなのを作れて、どれもすごくかわいいですね。ちょっとインクの匂いも残る中で、印刷の機械に囲まれてお酒を飲めるなんて、なんか不思議な感じです」
2019.04.19(金)
文=宮内 健
撮影=丸尾和穂