vol.32 台北(1)

「金峰魯肉飯」は、地下鉄中正紀念堂駅のすぐ近くにある。
「金峰魯肉飯」は、地下鉄中正紀念堂駅のすぐ近くにある。

 台湾といえば朝ご飯である。ここは一食で済ますわけにはいかない。ハシゴ酒ならぬハシゴ朝食である。

 「まずは魯肉飯(ルーロウファン)でしょ」と、南門近くにある「金峰魯肉飯」へ向かう。知らないなら、台湾人として失格とまでいわれる、人気店である。人気の理由は、「他の店はひき肉を使うが、ここは塊から手で切ってひき肉にする」から。

 ひき肉料理ほど、ごまかしの効く料理はない。味つけてしまえば、ひき肉の質の高さはわかりにくいからである。それを自ら挽いているとは、志の高さが伺える。

行列ができる人気店だ。
行列ができる人気店だ。

 日本にも有名チェーンの支店ができてからお馴染みになった「魯肉飯」は、いわば「甘辛豚肉煮丼」である、本来は「滷肉飯」といい、「滷」は“甘醤油煮込み”の意で、それが同じ発音の「魯」に変化したという。

地元の人たちでにぎわう店内。
地元の人たちでにぎわう店内。

 さて、店に入って座るなり「魯肉飯」30台湾ドル(1台湾ドル=約3.63円、つまり約109円)と「焢肉飯」(65台湾ドル)と「魯蛋」(15台湾ドル)、「油豆腐」(15台湾ドル)、「筍乾」(20台湾ドル)という定番を押さえた。

メニューには日本語の表示もあるので安心。
メニューには日本語の表示もあるので安心。
スープ類も充実。
スープ類も充実。

 そしてさらに、「頭髄湯(豚の脳みそスープ)」(55台湾ドル)、「蛤蜊雛湯(アサリと鶏のスープ)」(55台湾ドル)、「ライスヌードルスープ」(55台湾ドル)を頼む。

日本でもお馴染みのメニューとなった魯肉飯。
日本でもお馴染みのメニューとなった魯肉飯。

 魯肉飯は、運ばれたら、まずはそのままで一口いく。肉の甘辛みの中から、肉自体の脂の甘い香りや滋味が染み出して、ああうまい。

2018.08.23(木)
文・撮影=マッキー牧元