ベルギーとオランダでは、旅行者でも気軽に現地で自転車をレンタルし、サイクリングを楽しむことができます。素敵な街並み、美味しいレストラン、そしてゴッホゆかりのスポット……。たかせ藍沙さんが、この2つの国を気ままに散策する旅に出ました。
第7回は、オランダらしさを堪能しに、「ゴッホの森」と呼ばれるデ・ホーヘ・フェルウェ国立公園、風車が並ぶザーンセ・スカンス、そしてアイセル湖畔の村などを訪れます。
ゴッホの名作を堪能して
「ゴッホの森」でサイクリング
「ゴッホの森」と呼ばれる森がある。オランダ最大の国立公園、デ・ホーヘ・フェルウェ国立公園だ。公園内にはクレラー・ミュラー美術館があり、ゴッホの作品が多数展示されている。
創館者のアントン・クレラー・ミュラーは、鉱物と船舶で財を成した資産家。その妻ヘレーネは芸術が好きで、とくにゴッホに心酔して作品を収集していた。そして、ついには公園の敷地内に美術館を造ってしまったのだという。ゴッホ作品のコレクションとしては、アムステルダムのゴッホ美術館に次ぐ規模だ。
ヌエネンでは、『じゃがいもを食べる人々』が描かれた場所を訪ねたが、そこで描かれた実物がここにある。他にも、『4本の切ったひまわり』『自画像』『夜のカフェテラス』『種まく人』など、数々の名作が揃う。
ここには、1938年にクレラー・ミュラー夫妻が造ったオリジナルの美術館の他に、1977年にオープンした新館があり、レストランやショップも併設されている。
美術館では、2万点もの芸術作品を所蔵。そのうちゴッホの作品は、約90点の絵画と、約180点の素描。ゴッホ以外には、ミレー、セザンヌ、モネ、ピカソなどの作品もあり、館内だけでなく、周囲の緑の中にも彫刻などが点在している。
右:森の中のサイクリングは楽しい。
ゴッホの作品を堪能した後は、レンタル自転車を借りて公園内をサイクリングすることに。自転車は美術館入り口前に大量に駐輪されていて、誰でも無料で使うことができる。
ただし、日本の自転車と違い、ハンドルにはブレーキがなく、ペダルを止めてブレーキをかけるタイプだ。公園内は未舗装の道もあるので、慣れるまではゆっくりと走ろう。途中、森の中に点在する彫刻を見たりしながら、サイクリングロードをひとまわりした。
右:ランチはオランダ名物のパンケーキ。
運動後は公園内のビジターセンターにあるパーク・レストランでランチ。オランダ名物のパンケーキをいただいた。ルッコラとチーズ、クルミに、ハチミツの甘さがよく合って美味しい! イチゴのスムージーとともにするりと胃袋に入っていった。
Kröller-Müller Museum
(クレラー・ミュラー美術館)
所在地 Houtkampweg 6, 6731 AW Otterlo
電話番号 0318-591-241
http://www.kmm.nl/jp
2017.11.15(水)
文・撮影=たかせ藍沙