魅惑のメインディッシュに
ざわめく、ときめく!

 大きなテーブルは、料理でどんどん埋まっていく。ざっくりとした盛り付けも大陸風だ。こうなったらかっこをつけている場合ではない。おいしいものを思うがままに味わおう。

 揚げもの盛り合わせは、老酒漬けにした豆腐、鮫、鶏のセセリ。えっ、鮫!? と驚いたのもつかの間。次にはさらなる衝撃が待っていた。

油がいいのか、揚げ方なのか、さっくりとした揚げ上がり。

 蓮根?……いえいえ、なんとブタの鼻! 上海風の醤油煮込み。山椒がふわりと香る。

コラーゲンたっぷり。なんと、1個は1頭分だそう。ありがたくいただきます。

 さらにレアな一品が運ばれてきた。骨付きの山羊のモモ肉だ。香辛料をふんだんに使って煮込まれており、噛めばほろほろと肉が外れる。

じっくり味わっていくと、奥からミルクの香りが。

 魚を丸揚げにし、トウチーやオイスターソースで仕上げたもの。

白身にからむソースのうまさよ。ごはんがほしくなる。

 もうかなり満腹であるが、たたみかけるようにメインディッシュが登場! 10名以上なら作ってくれるというそれは、八宝鴨。アヒルの腹にもち米、くるみ、ピーナツ、シイタケ、ソーセージなどを詰めて蒸したもの。

ホール担当が「お尻は食べちゃダメ!」と、カットしていかれた。面白い。

 口直しに、魚の浮き袋と白きくらげのスープ。

さっぱりと思いきや、こくがある。

 ここでもう終いと思っていたら、「麻婆豆腐と担々麺も出しますよ」と言うではないか。

 麻婆豆腐は、土鍋入りでアツアツ。下には白飯が隠れていて、ボリュームも満点。ほどよい痺れで大団円を迎えた。さすがはシグネチャーの一品だ。さすがに担々麺は遠慮して、次回のお楽しみにさせていただく。

このサイズが3つ運ばれてきた時には、どよめきが(笑)。

 シナモンのアイスでフィニッシュ。これも手作りだそう。

デザートまで盛りがいい。大陸スタイル万歳!

 神田時代は、麻婆豆腐や担々麺がSNSなどで注目されていたが、実はそればかりではないことを知らされたのが今回の訪問。思いがけない皿が出てくるたびに卓は盛り上がり、手間暇かけて作られたひと皿ひと皿を残してなるものかと、一丸となり食べまくったのであった。

中国快餐店(ちゅうごくかいさんてん)
所在地 東京都世田谷区若林3-17-5
電話番号 070-4063-2787(和田)
営業時間 ディナー 18:00~22:00(L.O. 21:00)
定休日 水曜、その他不定休あり
料金 ディナー 3,000円~
[2017年6月訪問]

Keiko Spice(けいこ すぱいす)
東京都生まれ。得意なディスティネーションはハワイと香港。普段は3日に1回のペースで焼肉を中心とした食生活。別名「肉の妖精」。

Column

新店来訪! 美味しい出合いに一番乗り

ニューオープン、シェフやメニューが変わった店、面白い企画を立ち上げた店……などなど、なにかと「新しい」店を一番乗りで紹介するページ。「美味しい出合い」にご注目ください!

2017.08.07(月)
文・撮影=Keiko Spice