鳴門には、まだまだいくつもの魅力がある。美術館やホテルから少し足を延ばして体験したい、鳴門ならではの楽しみ方をご紹介。

迫力の渦潮が
目の前で生まれる感動の体験

所要時間約20分で、30分ごとの運航。大人 1,550円、小人 780円。

 世界でも最大規模といわれる鳴門の渦潮。大潮時には瀬戸内海と太平洋の干満差によって約2メートルの段差ができ、無数の白い波が立つ。そこから大小の渦があちこちで生まれ、まるで生き物のように動き回る様子は圧巻だ。

 渦潮を見る手段はいくつかあるが、目前まで迫って渦の迫力をリアルに感じることができるのは、小型船ならではの醍醐味。潮見表をチェックして、できれば大渦の時期、干潮時、満潮時を狙いたい。

うずしお汽船
所在地 徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦字福池65-63
電話番号 088-687-0613
営業時間 8:00~17:00(最終16:30出航)
定休日 無休
http://www.uzushio-kisen.com/

素朴で温かみのある大谷焼
ただひとつの作品を作り上げる

店内には、独特の光沢をもつ大谷焼がずらりと並んでいる。シンプルで美しい酒器セットは、若き5代目森崇史さんが新しい感覚で生み出した一点もの。

 230年余の歴史を持つ大谷焼は、大甕や睡蓮鉢などの大物を得意とする雄大な雰囲気が特徴。その窯元である森陶器では、電動ろくろや手びねり、絵付けなどの陶芸体験が気軽にできるとあって人気だ。また、国の有形文化財に指定されている登り窯の内部には、独自に開発した水琴窟を設置。椅子に座って心を落ち着け、耳をすませば、幽玄な響きに心が癒される。

大谷焼窯元 森陶器
所在地 徳島県鳴門市大麻町大谷字井利ノ肩24
電話番号 088-689-0022
営業時間 8:30~17:00、日曜・祝日 9:30~16:30
定休日 年末年始
http://morigama.jp/
※陶芸体験は当日予約可能

とびきり美味しいコーヒーを味わう
とっておきの方法がここに

誰もが手軽に本格的な味を楽しめるようにと、研究の末に開発した独自の抽出器具は紙フィルターを使わない「ナチュラルドレンチ」。インターネットでも入手可能。

 選りすぐりのスペシャルティコーヒーに出会えるのは、地元のコーヒー好きが皆通うという鳴門の名店。店主の荒川由暢さんはかつてメキシコのコーヒー農園で働き、世界中の優れた豆を選ぶ審査会、COEの審査員を務めたこともある達人だ。そのときどきに美味しい豆を入手し、豆の持ち味を引き出すように焙煎。豆のみならず淹れ方にもこだわり、誰もが簡単においしいコーヒーを入れるための抽出器具をオリジナルで開発、販売している。もちろん、店内で荒川さんの淹れたコーヒーを味わうこともできる。

ザ・コーヒービーンズ
所在地 徳島県鳴門市撫養町南浜字東浜664
電話番号 088-685-3460
営業時間 9:30~19:30
定休日 日曜・祝日
http://www.emame.jp/

地元の作家さんによる
身近なアートはおみやげに最適

地元で人気が高い川添フルーツの果実シロップやジャムも種類が多く、お土産として人気。

 雑貨好きの店主、原みのりさんが面白いと思えるものをセレクトしたグッズは、絶妙なセンスを感じさせるものばかり。「鳴門発、徳島発の個性的なお土産がほしい」という思いから地元の作家さんに依頼している雑貨は、他では手に入らないオリジナルが多い。中でも今人気なのが、手前に見える四国の形をしたグッズ。お皿や箸置き、アクセサリーなど、すべて原さん自らが土をこねて焼き上げたものとあって、ここでしか買えない。

にちにち雑貨店
所在地 徳島県鳴門市撫養町南浜字東浜382
電話番号 088-679-9318
営業時間 11:00~19:00
定休日 火曜
http://diary.nichinichizakkaten.com/

2017.06.09(金)
文=嵯峨崎文香
撮影=佐貫直哉