台湾由来のホットポットが大人気
今や空前の「鍋ブーム」であります常夏の島ハワイ……。
ハワイに限らずアメリカ全般的に言えることなんですが、なんせ体感温度が我々日本人とは異なっているのか、どこに行っても冷房がガンガンに効いているもので、南国と言えども、ついつい温かいものが食べたくなってしまうのは年寄りの僕だけではないはず(笑)。
とはいえ「えっ~、ハワイで熱々の鍋?」と思いの方も多いかもしれませんが、日系人をはじめ、様々なアジア圏の方が大勢暮らすこの島では、安くてヘルシーで会話も弾む「鍋(HOT POT)」はなくてはならないものであります。
特に今や日本でも全国でハワイアンカフェ&ダイニングを展開する「アロハテーブル」がコラボしたことから一般的にも広まってしまった、ハワイ生まれの台湾鍋屋さん「スウィートホームカフェ」の出現による影響力は皆様もよくご存知かと思います。
キングストリート沿い、「ホノルルスタジアム州立公園」の対面にある小さなフードモールの一角といった、非常に不便でわかりにくいシチュエーションにもかかわらず、16時のオープンとともに一瞬で大行列ができるといったあの大人気ぶりに、初めてローカルの友達に連れて行ってもらった時は結構な衝撃を受けたのを今も鮮明に覚えております。
もともと祖国台湾の方々用のツアーコンダクターをなさっていらしたママさん(めちゃ怖い時もあれば、「あれっ、打ち解けた?」って時もあるからまだつかめきれてないですが)がはじめた、サンドウィッチとかがメインのいわゆる「カフェ」だったんですが、アメリカというかハワイの人たちは同じ箸でひとつの鍋をつっつくなんて嫌がるだろうなぁ~と思いつつも、自分のパパが台湾で鍋屋さんを営んでいた影響もあって出してみようとメニューにのせた「ホットポット」が大大人気になってしまい、現在の人気店になってしまったというラッキーすぎる経歴のお店であります。
もう今となってはそんなにも珍しくも無くなってしまった感のあるこのお店でありますが、あえておさらい的に説明いたしますと……。
まず、十数種類のスープの中から自分のお好みのものを2種類チョイスして、それから6種類のお肉からもお好みを選んで、さぁスタート!!
ここまではテーブルで店員さんにオーダーいたします。最初からガッツリ食らいつきたい方は、この時点でライスを注文する(サービスですのでフリー! )のも正解でありますが、「B.Y.O」で持参したビアーやワインでちびちびやりたい方は、ここはじっと我慢のタイミング。ただし、ここは大人気がゆえに、90分でテーブルを追い出されるシステムでありますので、そんなにはまったりじっくり諸々味わっている時間はありませんので悪しからず(苦笑)。
それから冷蔵庫の中で待機している、お皿の色別でプライスが異なる100種類をも超える野菜や練り物等の様々な食材をセルフでピックアップ。つけダレもやはり十数種類用意されておりますので、これらもお好みでチョイスして味の変化を楽しむこともできるというシステムであります。
オススメの「ガーリックソイソース」とか「チャイニーズソイ&チリソース」、「ホワイトセサミソース」等々魅力的すぎる美味しいソースがたくさん存在いたしますが、なんせ元のスープが美味しすぎるので、僕はあまりこのタレには頼らずそのままいただく方が好みであります。
僕の大のお気に入りのスープといえば、何と言っても「Lemon Grass(レモングラス)」!! これはヤバイ……マジでヤバすぎる旨さなんであります。
もともとこの世で一番好きなお茶がレモングラスティーということもあるかもしれませんが、ここの旨さはホント誰に食べさせてみても同意見。正直、このスープだけあればなんの食材も魔法の味に変わってしまう気がするほどであります。あとはもうオマケみたいなもんなんでありますが、もうひとつスープを選ばないといけないので、体に優しいやや白濁した「Healthy Herb」をチョイスするのが僕の定番であります。
入店から70分ぐらい経つと、いきなりプリンやタピオカ、ゼリー、小豆etc.がどっさりのっかったサービスデザートの「台湾かき氷」が登場しますので、それが「GO~HOME (そろそろ帰れ)」の合図……結構なボリュームですが、店員さんはもうその時点で 「すぐに帰ってね~」的な態度を取り始めますんで、急いでガシガシ口にほおばり店を出ましょう。
ざっと説明すると、こんな流れで一躍ハワイで大ブームを起こしたこのお店ですが、最初に書いたように数年前から日本でも「アロハテーブル」等を経営する「ゼットングループ」とコラボしたりもしていたものの、 スープや薬味の数ももちろんだいぶ限られていて お目当の「レモングラススープ」なんかもなかったもんだから、僕からすると「似て非なるもの」ではありました。が、まぁなんちゃってホットポットが食べれたりもするのでもうすでの体験済みの方も多いかと思います。
ハワイでもこのスタイルを真似たいくつかのホットポット屋さんが、その後いくつか登場しておりますが、これまた再訪するほどの感動は得られず。
なんせ元祖「スウィートホームカフェ」はスープも薬味もホント丁寧に手間と時間をかけた家族経営によるオール手作りによるものなので、やはり他の店とはまるで異なる異次元の旨さ。こればっかりはハワイ本店で食べていただかないとわからないので機会があれば是非トライしてみてください。
とここまで書いといて何なんですが、なんとこの「スウィートホームカフェ」の怖くて有名なオーナーのママさん、実は今現在、こんなにも大人気なこのお店を売り払ってしまい、驚くことに新しくラーメン屋さんを開店いたしました!!
とともに、現在の「スウィートホームカフェ」はまさかの日本人経営となってしまっているらしいので、今や味がどうなってしまっているかは定かではございません(今までの解説はなんだったのか?)。
2017.03.09(木)
文・撮影=小川カズ