「スウィートホームカフェ」
初代オーナーが始めたラーメン屋

 前置きが長すぎましたが、今回書きたかったのはまさにこのラーメンのお店紹介!!

自分を「おばさん」と表して打ち出した「Aunty's Ramen」!!

 その名も ママさん自ら自分を「おばさん」と表して打ち出した「Aunty's Ramen」!!

 できた当初は「Sweet Home Aunty」(スウィートホームアンティ)という名前でしたが、鍋屋なのか何なのかわかりずらかったみたいで、ストレートに「アンティズラーメン」に落ち着いたみたいであります。

 場所は「McCully St.」をH1に向かって「King St.」を越え、最初の「Young St.」の角。パーキングもたくさんあるので嬉しい限り。

 とはいえラーメン屋さんといってもさすが「スウィートホームカフェ」の初代オーナー。ちょっとそこいらのラーメン屋さんとは大違いで、内容がびっくりなんであります!!

 では早速システムを説明いたしますと……。

 まず入口のところに置いてある「ザル」をとってから、異常なほどに存在する、これまた100種類を超える様々な具材を自らトングを持ってチョイスして その中に入れていきます。これが「ステップ1」の具材選び。

100種類を超える様々な具材を自らトングを持ってチョイス。

 最低0.5パウンド(約227グラム)以上は具材を選ばないといけないらしく、ミニマム一杯8.50ドル。つまりここはチョイスした具材の量の重さでプライスが決まるシステムでありまして、オリジナルにカスタマイズした自分だけのラーメンを作れるというのが売りなんであります!!

オリジナルにカスタマイズした自分だけのラーメンを作れる。

 なので欲張ってたくさんピックアップしてしまうと、あっという間に20~30ドルになってしまいますのでお気をつけください!!

小さなバケツに入った「肉チケット」。

 もちろん6種類あるお肉もプラス2ドルで選べますが、お肉系は調理場で料理して出てきますので ここではこの小さなバケツに入った「肉チケット」をチョイスしてレジに向かいます。

 そして「ステップ2」の10数種類のスープ&「ステップ3」の10種類の麺 or ライス等のみんな大好き炭水化物をレジでチョイスして、最後は「スウィートホームカフェ」同様の自分好みの薬味たちをピックアップしたらテーブルでしばし待つこと数分。

世界でひとつのオリジナルラーメンとご対面!!

 「美味しいのも美味しくないのもあなた次第!!」ということでついに、世界でひとつのオリジナルラーメンとご対面!!

 写真ではわかりづらいですが、これでもかぁというぐらいのやたらと大きなどんぶりに入ってやってきますので、覚悟して待ちましょう(笑)。

 僕は相変わらずの「レモングラス」大好き少年(笑)なので、そのフレーバーが効いている「アンティズ グリーンスープ」をベースに「エッグヌードル」をチョイス!!

 味はさすがに具材を長時間煮込んで出汁の出た「ホットポット」のような深い味わいではありませんが、選んだ具材によっても変わってくるでしょうし、とりあえず美味いというより面白い味とでも言っときましょうか……とにかく全てがユニークな印象であります(笑)。

 こればっかしは何度も何度も通って自分好みの味を探求していくしか方法はないかもしれません。麺がどれもすぐに柔らかくなってしまいがちなので、もしかしたらセパレートで頼んで自ら調整しながらいただいた方が正解かも。というか、正直最初からぐにゃぐにゃでありますのでちょっとがっかり(涙)。

サイドオーダーの海老フライはスティームライスと。

 サイドオーダーでなぜかメニューに存在する、なんと5本もついてくる海老フライは プリプリ&サクサクというよりふわふわでありまして、今まで味わったことのないなんともいえない食感なので、好奇心旺盛で勇気のある方はレッツトライ!! もちろんラーメンにサービスでついてくるスティームライスとともにいただきましょう。

お店の規模も大きいし、回転率も高い。

 デザートももちろん健在!!

 こちらも同じくグラム売りの「台湾かき氷」。ハーフパウンドで6ドルが目安ですので、「スウィートホームカフェ」でこのデザートにハマってしまったファンの方々にはたまらないかもしれません。

 オープン当初は並ぶほどの大盛況だったみたいですが、お店の規模も大きいし、なんせ回転率の高い「ラーメン屋」さんなので、近頃はだいぶ落ち着いてきているようであります。

 とはいえ、これまた空前の「ラーメンブーム」でもある現在のハワイ。研究しつくされたローカルが営む本格的な専門店から日本全国の名店までが続々と進出してきているわけで、日本でいただく美味しいラーメンとなんの変わりもない味覚にロコ達もすでに慣れ親しんでしまっているはず。

 それと比べるとここは、同じ「ラーメン」と称しながらも全く別の内容でありますので、僕的には「ラーメン屋さん」とは思わず、麺がトッピングできる「スープ屋さん」と考えた方が納得できるわけであります。

 とにかく今ならゆっくり吟味しながら、思う存分自分だけのカスタマイズを楽しむことができるまさに「飲食界のアミューズメントパーク」。そういえばお店にいた「アンティ」も、前店の時とは別人のようにニコニコ笑顔で接してくれたところをみると、あまりの大人気と忙しさからのプレッシャーから解放されて心も身体も楽になったのかもしれません。

 とにかく何もかもが型破りなこのお店。お子様からお年寄りまで誰もが笑顔になれる、お金儲けなんて二の次な 「アンティ」の夢がいっぱい詰まった空間に、ハワイにお越しの際は是非一度浸ってみてくださいね~!!

Aunty's Ramen(アンティズラーメン)
所在地 1110 McCully St, Honolulu, HI 96826
電話番号 946-8686

小川カズ(おがわ かず)
ファッションディレクター&フォトグラファー。東京、青山生まれ。80年代半ばから当時まだ数少ないスタイリストとして活動を開始し、堺正章、石田純一、片岡鶴太郎、武田修宏などを担当する。99年からはフォトグラファーとしても活躍。ハワイと東京に拠点を構えて活動する。

 

Column

小川カズのいい加減でアロハな裏ハワイ

スタイリストの草分けとして堺正章、石田純一などのスタイリングを長年手がけ、フォトグラファー、ファッションディレクターとしてテレビや雑誌で活躍の小川カズさん。実は30年以上にわたる筋金入りのハワイマニアとしても知られています。ハワイ好きが高じてコンドミニアムまで購入、いまや東京とハワイを生活拠点としている小川さんが、メディアには載らない「裏ハワイ」の面白さを紹介します。

2017.03.09(木)
文・撮影=小川カズ